アシュトン・カーター米国防長官が22日(現地時間)、高高度防衛ミサイル(THAAD)の朝鮮半島配備と関連し、「韓国政府と議論している。原則として、そのようにすることに(配備することに)合意した」と明らかにした。韓国国防部はこれまでTHAAD配備を既成事実化してきたが、米政府当局者がこれを確認したのは今回が初めてだ。
カーター長官はこの日、米下院軍事委員会の国防予算公聴会に出席し、こう述べた後、「THAAD配備の理由は、北朝鮮の全方位ミサイルの脅威から朝鮮半島全域を守ることができるからだ。韓国と米国の既存のパトリオットシステムにTHAADを追加しようとするのは、このためだ」と説明した。
これに先立ち、韓米両国は、北朝鮮が今年1月の4回目の核実験に続き、2月に長距離ロケットを発射した直後、THAAD配備案をめぐる公式協議を開始すると発表した。一時は、強力な対北朝鮮制裁に向けた中国の協力を引き出すため、THAAD配備を留保するのではないかという見方もあったが、韓米は今月4日にTHAAD配備を協議する共同実務団を公式に発足させた。
これと関連し、韓国軍当局者は、「共同実務団で韓米間のTHAAD配備のための適切な敷地の選定と、安全、環境、コストの問題などを協議している」とし「協議の内容が形になっていくと、国民に公開することになるだろう」と述べた。THAAD配備の候補地としては、平沢(ピョンテク)と原州(ウォンジュ)、大邱(テグ)、漆谷(チルゴク)などが挙げられている。
米当局は、THAAD配備に対する中国の激しい反発を考慮し、中国を直接説得する案も検討しているものと見られる。この場合、THAAD配備の問題は、米中間の“交渉”で決まる可能性が高い。しかし、THAADの韓国配備は米国内でも最終的に決定されたものではないと判断される。デビッド・マン米陸軍宇宙ミサイル司令官はこの日、国防専門誌の記者との懇談会で、「(朝鮮半島のTHAAD配備は、北東アジア)地域パートナー諸国にとって非常に敏感な問題だ。特に、中国は韓国の最大の交易国」だとした上で、「協議の過程で、このような敏感な問題(の重要性を)縮小することはないだろう」と述べた。
韓国語原文入力:2016-03-23 09:34