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[インタビュー]北朝鮮にとり核は生存手段...圧迫戦術は通じない

登録:2016-02-12 02:59 修正:2016-02-12 07:45
ジョン・メリル元米国務省局長 
ジョン・メリル元国務省情報調査局(INR)北東アジア局長//ハンギョレ新聞社

朴大統領は「信頼プロセス」に戻るべき

 米国国務省で長年、韓中日の情勢分析を担当したジョン・メリル元国務省情報調査局(INR)北東アジア局長は、「朴槿恵(パククネ)大統領は『ドレスデン宣言』を引っ込め『朝鮮半島信頼プロセス』に立ち返るべきだ」と強調した。メリル元局長は、ドレスデンの宣言を北朝鮮の崩壊を前提とした対北朝鮮政策と判断している専門家だ。

 メリル元局長は10日(現地時間)、韓国政府の開城工業団地中断措置に関連し、ハンギョレと行った電子メールインタビューで、「強力な対北朝鮮制裁の推進は、誤った判断」とした上でこう指摘した。メリル元局長は、「朴大統領が北朝鮮の核実験と人工衛星の打ち上げと関連し、手をこまねいているわけにはいかないと感じたようだ」とし「特に、韓国が強力な制裁を進めていることからすると、間違いなく、『何か』しなければならないという強い衝動があっただろう」と背景を分析した。

 しかし彼は、「北朝鮮が国家の生存に関連する重要な問題と考えることに対する圧迫戦術は、機能しない」とし「北朝鮮が大量破壊兵器(WMD)プログラムを放棄する可能性はない」と分析した。強力な圧迫戦術の効用について、「すべての人が、米国のバンコ・デルタ・アジア銀行への制裁(2005年)がいかに素晴らしいものだったか賛辞を並べ立てている。しかし、米国の経済制裁がかつて日本の真珠湾攻撃を促したという事実を忘れてはならない」と説明した。

 メリル元局長は、「開城(ケソン)工業団地の中断は北朝鮮に打撃になるか」という質問に「北朝鮮労働者が中国に向かっていく可能性は十分にある」と懐疑的な反応を見せた。彼は「とにかく10年間以上続いてきた開城工業団地を永久に閉鎖するのは、本物の悲劇になるだろう」と懸念を示した。

 彼は「北朝鮮は党大会が予定されており、核能力を備えれば、民間経済の方に資源を移動させることができると考えているようだ。だから、さらに状況を悪化させることには関心を持たないだろう」と予想した。彼は「したがって、今こそ南北がこのような状況を鎮静化させ、現在の緊張に伴うリスクを考えて危機から抜け出す方法を見つけるべき時期」と南北の役割を強調した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-02-11 19:24

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/729961.html 訳H.J

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