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米中、北朝鮮核問題の解決策めぐり平行線...強力な制裁困難に

登録:2016-01-28 00:27 修正:2016-01-28 08:06
ケリー国務長官「中国の特別な能力を信じている」 
北朝鮮との貿易制限などを求める 

王毅・外交部長「制裁ではなく、解決が目的」 
対話と交渉の必要性重ねて強調

「一歩踏み込んだ国連決議」に同意も 
見解の違い大きく、今月中は結論出ない見込み
中国を訪問したジョン・ケリー米国務長官(左)が27日、北京で王毅・中国外交部長と共同記者会見を終え握手している=ロイター聯合ニュース

 米国と中国が27日の外相会談で、北朝鮮核問題の解決策と制裁のレベルをめぐり、明確な見解の違いを確認した。米国は、強力な対北朝鮮制裁を求めたが、中国は「制裁が目的になってはならない」と一蹴した。

 ジョン・ケリー米国務長官と王毅・中国外交部長は北京外交部庁舎での昼食会を含めて4時間余りの間、北朝鮮核問題への対応策などを協議した。王毅部長は会談後の共同記者会見で、「中国は一歩踏み込んだ新しい(対北朝鮮)制裁の必要性に同意する」とし、「北朝鮮核問題は対話と交渉を通じて解決するのが唯一の方法だ。制裁は目的ではなく、重要なのは、問題を解決すること」だと述べた。王部長は「朝鮮半島の非核化、対話と交渉を通じた問題解決、朝鮮半島の平和安定は緊密に関連しており、どれ一つも欠けてはならない」とし「中国の態度は喜怒哀楽に応じて変わったり、一喜一憂しない」と強調した。

 王部長のいわゆる「北朝鮮核問題(解決のための)三原則」発言は、韓米が求めている強力な対北朝鮮制裁は受け入れ難いという意向を重ねて示したものと見られる。王部長は「中国はこれまで、朝鮮半島の平和安定と非核化のために長年取り組んできた。根拠のない推測は拒否する」とし、米国が提起した北朝鮮核問題に対する中国責任論に反論した。ケリー長官は7日、王部長との電話会談で「中国のこれまでの対北朝鮮政策が動作していなかった」と述べた。

 一方、ケリー長官は、「金正恩(キムジョンウン)労働党第1書記の行動は危険なもので、米国をはじめとする世界のすべての国に巨大なリスクの影を落とした」とし「米国は(北朝鮮に対する)中国の特別な能力を信じている」と述べた。特に彼は「国連の対北制裁領域には、朝中貿易も含まれる」とし、中国が北朝鮮との交易を制限するのに、積極的に乗り出してくれることを求めた。

 ケリー長官は、「さらに強い国連決議案が必要だということに、中国と意見を同じくした。しかし、具体的な措置についてはさらなる議論が必要だ」と、両国の間に制裁案をめぐる異見が存在することを認めた。米国は、安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁決議案の草案に、中国の北朝鮮に対する原油、食糧支援の禁止▽北朝鮮産石炭など、鉱物の輸入禁止▽北朝鮮との金融取引の中止▽北朝鮮船舶の中国内入出港の制限と北朝鮮民間航空機の中国領空への運航禁止などの内容を盛り込むことを目指している。

 また、ケリー長官は「米国は北朝鮮を核武装国として認めず、米国と同盟国を保護するために必要なすべての措置をとる」と述べた。これは、米国が今後独自の対北朝鮮「セカンダリーボイコット」(北朝鮮と取引する第3国の政府や企業などを制裁する手段)や高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国への配備などに乗り出す可能性を示唆したものと分析される。

 中国国営の新華通信は同日、「ケリー長官は、中国を圧迫する前に、北朝鮮の不安を煽り、制御できない核開発に追いやった米国の政策を見直すべきだ。米国が冷戦的思考を捨てないまま、中国だけに頼って北朝鮮に核を放棄させようとするのは非現実的だ」と米国を批判した。

 米中が意見の違いを埋められなかったことで、安保理の対北朝鮮制裁決議案の採択は、今月以降に長期化する可能性が高くなった。

北京/ソン・ヨンチョル特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-27 21:32

https://www.hani.co.kr/arti/international/china/728224.html 訳H.J

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