本文に移動

中国官営メディア「THAAD配備すれば代償払うことに」 韓国に強い警告

登録:2016-01-28 00:05 修正:2016-01-28 08:09
環球時報「中国の安全脅かすものであり 
韓中の信頼を大きく傷つける」 
朴大統領の直接言及後、対応強度を引き上げ 
成曉河・人民大教授 
「テーブルの下に機関銃を忍ばせるもの」と批判
中国北京の外交部で27日開かれた米中外交長官会談で米国のジョン・ケリー国務長官(左)と中国の王毅外交部長が握手をするため近寄っている =北京/AFP連合ニュース

 北朝鮮の4回目の核実験後、韓国政府の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の動きに中国が強力に反対した。

 中華民族主義指向の環球時報は27日、「(対北朝鮮)制裁、断固として実施すべきだが、北朝鮮の民生に打撃を与えてはならない」と題した社説で「韓国は中国の北朝鮮制裁問題に関して、勝手にやり過ぎてはならない。 特にTHAADシステムを持って中国を圧迫してはならない」と主張した。同紙はさらに「韓国がTHAADを配備すれば中国の安全を脅かしかねず、中国と韓国の間の信頼を大きく傷つけるだろう。(韓国は)それによって生じる代償を払う準備をしなければならない」という“威嚇性”の主張までした。

 中国共産党機関紙の人民日報の姉妹紙であるこのメディアは、中国政府の本心を表わすことが多い。 中国は朝鮮半島へのTHAAD配備問題に火が点くたびに繰り返し憂慮を示してきた。 しかし官営メディアがTHAAD配備による“代償”にまで言及したのは異例だ。

 これは今月6日の北朝鮮による4回目の核実験を契機に、韓国が朴槿恵(パククネ)大統領とハン・ミング国防長官まで乗り出してTHAAD配備の必要性に言及し、それまでの曖昧な態度から抜け出したことと関係があるように見える。 昨年2~3月にTHAAD配備の問題が議論された時でも、韓国政府は「THAAD配備に関し米国からの要請も韓米間の協議もない」という態度を明らかにした。 当時も中国は訪韓した劉建超・外交部部長補佐(次官補級)と常萬全・国防長官が憂慮を示したことがある。 しかし4回目の核実験後、韓国政府が積極的にTHAADカードを取り出すと中国が対応強度を高めた。

 中国はTHAADが北朝鮮を狙ったものではなく自国を狙うものと感じている。 特に、THAADの核心であるエックスバンドレーダーの探知半径が3000キロメートルを超えるため、中国の安保に大きな脅威になると見なす。 朝鮮半島へのTHAAD配備は米国のアジア回帰戦略の一環と見る見解が支配的だ。

 成曉河・人民大教授はハンギョレとのインタビューで「北朝鮮の4回目の核実験が(韓国と米国に)THAADの朝鮮半島配備に口実を提供した。韓国の大統領と国防長官が直接言及しているので国家政策次元で議論されているようだ」として、中国も対応強度をそれに合わせて引き上げたようだと分析した。 しかし彼は「いくら格好の口実があろうともTHAADの朝鮮半島配備に反対する中国の態度は変わらないだろう」と話した。 遼寧省社会科学院の呂超研究員は「THAADの探索範囲は北朝鮮を越えて中国、ロシアまで達する。 中国と韓国は良い友人だが、一方(韓国)がテーブルの下に機関銃を忍ばせるなら、その関係はどうなるだろうか」として「THAAD問題の背後には米国がいるだろうが、配備可否を決めるのは韓国だ」と話した。

 これに対して韓国国防部当局者は「THAADは北朝鮮の核・ミサイル脅威への対応に軍事的に役立つ。米国が在韓米軍への配備を決め、協議を要請してくれば国益と安保を考慮して決めるだろう」と話した。

北京/ソン・ヨンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/728143.html 韓国語原文入力:2016-01-27 19:22
訳J.S(1630字)

関連記事