アジアSOC投資に参加の見込み
阻もうとしていた米国には打撃
中国「創立加入国、まもなく締め切り」、韓国を圧迫
英国を始めヨーロッパ諸国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)加入決定が続いている。 今年末に正式スタート予定のアジアインフラ投資銀行は、アジア・太平洋地域の開発途上国の社会間接資本に対する投資を目的に中国が主導する国際金融機構だ。
英紙フィナンシャル・タイムズは16日(現地時間)、ヨーロッパ各国の政府関係者たちの発言を引用して「英国に続きフランス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパの主要国も中国が主導するアジアインフラ投資銀行に参加することにした」と報じた。 ヨーロッパ各国のこのような動きは12日に英国が同銀行に創立加盟国の資格で参加すると明らかにしたのに続くものだ。同紙は「ヨーロッパ各国の相次ぐ加入意志は西側主要国のアジアインフラ投資銀行加入を阻もうとする米国に大きな打撃を与えるだろう」と伝えた。
ヨーロッパ各国が米国の引き留めを振り払いアジアインフラ投資銀行に加入しようとするのは、世界最大の外国為替保有国である中国の投資とアジア地域の社会間接資本建設市場への参加を切実に望んでいるためだ。 中国は昨年末現在で3兆8400億ドルの外貨準備高を保有している。 中国は豊富な“実弾”を物価上昇、不動産バブル、地方政府負債量産などの恐れがある国内建設産業の代わりに国外投資に注ごうとしている。 アジアインフラ投資銀行と中国が400億ドルを投資した新シルクロード基金は、中央・東南アジア、ヨーロッパ、アフリカを合わせた「一帯一路」(陸・海上新シルクロード)政策の橋頭堡だ。 中国はこれを通じて自国企業の国外進出を促進し、アジア経済圏を主導しようとしている。
英国、フランスなどヨーロッパ各国首脳は、アジアインフラ投資銀行が胎動する前から中国の投資を誘致するための競争を繰り広げてきた。 2013年フランソワ・オランド フランス大統領とデビッド・キャメロン英国首相はそれぞれ100人を超える経済使節団を同行して中国を訪問し、航空機、原子力発電所、高速鉄道分野の輸出と投資の約束を取り付けた。その代わり中国の人権問題に対しては沈黙した。 2008年金融危機以後、ヨーロッパの主要投資国に浮上した中国は、現在米国に次ぎヨーロッパ第二の交易対象国だ。 アジアインフラ投資銀行への加入は“大手”である中国の投資を誘致する潤滑油のような役割をする。 ここに2020年までに年間8000億ドルに達すると予想されるアジア地域の社会間接資本建設需要もヨーロッパの国々を誘惑したとみられる。 ある北京外交消息筋は「中国がヨーロッパ国家に加入を促すために何か魅力的な条件を提案したのかも知れない」と語った。
中国は相次ぐヨーロッパ各国の加入意思表示に鼓舞された雰囲気だ。 官営の環球時報は17日付社説で「アジアインフラ投資銀行に拒否反応を示してきた米国が友好国を阻止しているにもかかわらず多くの国が加入“ドミノ現象”を見せている」として「これは世界と中国の一帯一路政策に全面的に有利だ」と主張した。 社説はまた「一部の国がこの銀行に疑いを抱いているが、政治的な憂慮のために経済発展の好機を逃すことは、21世紀の(戦略的)信条に合致しない」と付け加えた。 韓国など加入を迷っている国を指したものと解釈される。
賈慶國 北京大国際関係学院長は「韓国がアジアインフラ投資銀行の投票権や発言権などの問題を心配しているが、交渉を通じて解決できる部分」とし「中国は韓国が創立加入国になることを願うだろう」と話した。 経済紙の『21世紀経済報道』も「アジアインフラ投資銀行に創立加入国として参加資格を申請できる期限は3月31日ではなく17日」とし、参加加入国資格が“早期品切れ”になり得るという報道もした。 中国などの創立加入国は31日にパキスタンで最初の業務会議を開き、議決権配分問題などを議論する予定だ。