安倍晋三 日本総理が1日‘集団的自衛権’行使のための閣議決定を断行し、自衛隊の役割がどこまで拡張されるかに関心が集中している。
政権が必要とすればいくらでも軍事的役割の拡大が可能
安倍、閣議決定後に会見「日本人を載せた米国船を守るため」
侵略目的ではなく防御用と強調したが
1992年UN作戦、初参加時にも
「今回が最後」と説明
安倍総理は閣議決定直後の記者会見で「海外で突然紛争が発生して逃げる日本人を、同盟国の米国が救助・輸送している時に日本近海で攻撃を受けた時、我が国への攻撃ではないが、日本人を守るため、自衛隊が米国の船を守れるようにすること」と集団的自衛権行使の意味を説明した。 今回の閣議決定が他国を侵略する目的ではなく、日本人の生命を守ろうとする防御的措置であることを強調したわけだ。 日本政府は去る5月末△怪しい船に対する強制検査△アメリカに向かう弾道ミサイル迎撃△戦時機雷除去作業参加など具体的な作戦事例8種類を提示した。
しかし日本が69年間続いてきた‘専守防衛原則’(攻撃はせず防御のみをするという原則)を放棄し、外国の武力紛争に参加できるようになった以上、自衛隊の役割が次第に拡大することは火を見るより明らかだという指摘が多い。 安倍政権が解釈改憲を通じて‘禁断の一線’を越えたので、以後は日本の政権が必要と判断する場合、軍事的役割をいくらでも拡大できるということだ。 実際、日本は1992年国連(UN)平和維持作戦(PKO)に初めて参加する時、2003年イラク特別措置法などを作る時も「今回が最後」と説明した。
小泉内閣の安保政策を総括した柳澤協二 元官房副長官補は「これまではアメリカが‘憲法9条’の制約がある日本には軍事的に特別な期待をしなかったが、もう状況は変わった」として「アメリカの要請がある場合、日本が拒否することは容易でないだろう」と話した。 リチャード・アーミテージ元米国務部副長官らアメリカ国内で対日政策を主導する‘ジャパン ハンドラー’らは、これまで米-日同盟が戦場で一緒に血を流す米-英同盟水準に格上げされなければならないと主張してきた。
1日の閣議決定に対しては日本国内でも多様な批判の声があふれている。 <朝日新聞>は2日付け社説を通じて「法治国家としてとるべき憲法改正の手続きを省き、結論ありきの内輪の議論で押し切った過程は、目を疑うばかりだ」とし「自衛隊は日本を守るために戦う。海外で武力は使わない。そんな「日本の常識」を覆すに足る議論がなされたという納得感は、国民にはない。」と指摘した。 <毎日新聞>もこの日、作家 半藤一利氏の寄稿を通じて「戦前、そっくりの状況があった。1940年の日独伊三国軍事同盟だ。当時の仮想敵国は米国で、日本の指導者は、同盟が米国との戦争を防ぐ抑止力になると考えた。結果が示す通り、それは妄想でしかなく、戦争の出発点となった。」と指摘した。 今回の閣議決定に対して‘違憲訴訟’が相次ぐだろうという専門家たちの予測も出ている。
日本政府はそれら意見をものともせずに集団的自衛権行使を可能にする具体的な法整備作業に突入した。 加藤勝信 官房副長官は2日定例記者会見で「前日閣議決定がなされた直後に国家安全保障局の下に各部署の担当者30人程度を集めて法案作成チームをスタートさせた」と明らかにした。 彼は具体的な法改正日程については「既に作業を始めたので予断を持って話す段階ではない」と答弁を控えたが、日本マスコミは9月頃に開かれる秋の臨時国会時に法案が国会に提出される可能性が高いと展望した。
東京/キル・ユンヒョン特派員 charisma@hani.co.kr