13日午前10時30分、日本の東京都心である千代田区のビルの森の真中で、日本の市民団体会員30人余りの声が鳴り響いた。彼らが集まった所は植民地時期に朝鮮人を強制動員して大きな被害を与えた日本製鉄の後身である新日鉄住金の本社前だ。 新日鉄住金を相手にした韓国人被害者の賠償訴訟を支援してきた山本直好‘日本製鉄元徴用工裁判を支援する会’(以下 会)事務局長は 「過去を正して韓国人被害者と和解を成し遂げることだけが、新日鉄住金が企業の社会的責任を全うする道」と力を込めて語った。 この日の集会は企業の不当解雇に抵抗し、労働者の権利を取り戻そうとする日本労働運動の一つである‘東京総行動’行事の一環として開かれた。 植民支配にともなう朝鮮人労働者の被害を民族問題ではなく労働問題と感じて、日本の労働運動と過去の歴史清算運動が連帯する接点を探したのだ。
植民地時期強制動員被害者の‘個人請求権’を認めるかという問題は、韓-日関係の核心懸案になっている。 この間、日本政府は1965年韓日協定により請求権が "完全且つ最終的に消滅した" という公式見解を維持してきたし、韓国政府や裁判所も長くこの枠組みを抜け出せなかった。 そうするうちに昨年5月、韓国最高裁が韓日協定で個人請求権は消滅していないという判断を出し、韓国裁判所では新日鉄住金・三菱重工業などいわゆる‘戦犯企業’らに賠償を命令する判決が相次いでいる。 新日鉄住金に対してもソウル高裁が去る7月10日、韓国人原告4人に対し1人当り1億ウォンずつ合計4億ウォンを支払えと判決した。 新日鉄住金が上告してこの訴訟は最高裁の最終判断を待っている。
矢野秀樹会々長も 「新日鉄住金は企業の行動規範に(海外に進出する時は)現地の法律を遵守して各種国際規範を尊重して事業を行うと言っている。 日本を代表する企業として新日鉄住金が上告を撤回して友好的な韓国・日本関係の礎石を置くよう願う」と話した。
東京/文・写真キル・ユンヒョン特派員 charisma@hani.co.kr