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トレーラで暮らす米国人 2000万人

住宅買えない貧困層から始まった独特の移動式住居文化が定着
‘豪華トレーラ’等、多様化しているが
居住比率、依然として所得水準に逆比例
米国ノースダコタ州ウィルストーン市郊外の‘トレーラ村’。 米国では高速道路周辺の都市郊外に製造業生産基地などが発達し所得が低い労働者階級のための値段が安い移動式住宅密集地が生まれた。 ウィルストーン/ロイターニュース1

 トレーラ トラッシュ(trailer trash)。 ‘ゴミのような白人’ ‘乞食のように暮らす白人’という意味で使われるこの言葉は米国でよく見かける移動式住宅である‘トレーラ’が社会的にどんな含意を持つかを表わしている。 英国BBC放送は23日、米国の1億3250万余世帯の中で6.4%にあたる850万余世帯がトレーラのような移動式住宅であり、居住者は2000万人に達すると推定されると伝えた。 米国の住宅市場は派生金融商品とあいまって世界金融危機を招く程にバブル祭りにまきこまれていたが、2000万人はそれとはかけ離れたトレーラでの生活を送ってきたわけだ。

 自動車に連結すれば移動可能なトレーラ住宅は、当初キャンプや職業問題でしばしば転々としなければならない人々のために開発された。 だが、1930年代の大恐慌期を経て住宅購入費用や家賃負担に耐えられない貧困層が容易に選択できる住居形態として席を占め始めた。 以後1940年代と1950年代には都市郊外にトレーラ住宅が集まり、トレーラ村を形成するほどに一般化し、大きさと設備水準も多様に発展して貧困層に限定されないアメリカ的住居文化として定着することになる。 例えばカリフォルニア マリブ海岸にには、俳優パメラ アンダーソンのような有名人が居住し、大理石など華麗な建築資材を利用した250万ドル(約27億ウォン)のトレーラが集まっている地域が形成されているほどだ。

 だがBBCは 「米国では貧困層がトレーラ住宅で暮らす可能性がはるかに高い」として「これは非常にアメリカ的な現象」と指摘した。 カナダや英国にもトレーラ村がなくはないが、米国のようにありふれてはいないということだ。 実際、米国でトレーラ居住比率が最も高い10州と米国で所得が最も低い10州を比較すると8ヶ所が重なる。 また、トレーラ居住者の世帯所得の中間価格は米国全体の平均世帯所得の半分に過ぎない。 トレーラ村を研究してきたチャールズ ペッコ デューク大教授は「米国人は持ち家指向が強いが、貧困層は住宅を買えない現実、ヨーロッパに比べて劣悪な住居福祉のせいで公共賃貸住宅への入居が過度に難しい点などがトレーラ村を発達させた」と説明した。

 もちろんトレーラ村に貧困の烙印を捺すことに対する反発もある。 より安く、より快適な住居環境を望む引退者や中産層が、犯罪の危険が少なく安定した移動式住宅村を設けた場合もあるためだ。 米国、ウェストバージニア州マーティンズボーグ郊外のトレーラ村に住む20代の夫婦であるマイケル プリドゥンは、トレーラ住宅を1万6000ドルで購入し4人家族が一緒に暮らしている。 彼らはトレーラ村の地主に土地使用料とゴミ処理、水道料として毎月325ドル程度を払っている。 ここに追加される住居費は電気料金150ドルと税金60ドル程度だ。 彼は「去る1年間ここで暮らしたがとても満足している」と話した。

チョン・セラ記者 seraj@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/604606.html 韓国語原文入力:2013/09/25 22:32
訳J.S(1541字)