"考えの足りない人間が憲法のようなものに手を付けてはいけない。"
日本 安倍晋三政権の勝利が予想される21日の参議院選挙を控えて、日本アニメーションの象徴である宮崎駿(72)監督が安倍総理の歴史認識と憲法改正推進の動きを辛らつに批判した。
<隣のトトロ> <千と千尋の神隠し>等で全世界に環境・生命の問題に対する共鳴を呼び起こしてきた宮崎監督は、最近 自身の製作会社である‘スタジオ ジブリ’が毎月発行する小冊子<熱風> 7月号に‘憲法を変えるなどもってのほか’という文を載せた。
宮崎監督はこの文で "憲法を変えることについては、反対に決まっています。選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです。" と厳しい忠告を与えた。 参議院選挙の後、日本の軍隊保有を禁止した憲法9条改憲に乗り出す意図を持つ安倍政権を正面から批判したのだ。 彼は特に安倍政権が改憲要件を規定した憲法96条の改正を先に推進しようとしていることに対して "96条を先に改正するのは詐欺" と言い切った。
宮崎監督はまた、憲法改正論者が結局 "戦前の日本は悪くなかった" と言いたいのかもしれないけどとした上で "日本は悪かった" と釘を打ち込む。 彼は "慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。" と強調した。 安倍総理が "村山談話を基本的に尊重する" と言ったことに対しても "‘基本的に’って何でしょうか。おまえはそれを全否定してたんじゃないのか" と問い直した。
1941年生まれの彼は、この文で戦争と関係なく飛行機部品の軍需工場とダンスホールで金を儲けた父親の話などを回顧して、戦争時期の日本人たちの認識の断面を加減することなく表わした。 自身もまた "もう少し早く生まれていたら軍国少年になっていた" とも話す。
憲法9条に関する高畑勲(<火垂るの墓>)監督、鈴木敏夫プロデューサーなどの文も一緒に載せられた今回の<熱風>に対する日本社会の反応は熱い。 10日から全国書店で配布されたこの雑誌は5000部がすぐに売り切れ、スタジオ ジブリ出版部では購入問い合わせが激しかったと<東京新聞>が19日報道した。
21日に行われる参議院選挙で安倍総理が率いる自民党が勝利すれば、憲法改正作業と自衛隊の海外活動増加、教科書改訂など保守的政策が本格推進される可能性が高い。 日本の戦争末期の姿を記憶して、1960年代全共闘世代として生きてきた老監督は、このような今の状況こそ "もってのほか" だと話したいようだ。 パク・ミンヒ記者 minggu@hani.co.kr 写真ロイターニュース1