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[日本の右翼団体団結大会現場ルポ] "嫌韓" 叫び‘拝外主義’助長する極右の素顔

登録:2013-06-06 22:55 修正:2013-06-07 10:22
‘在日韓国人の特権を許さない市民の会’等
右翼団体集まり "韓-日断交" 主張
"恐いという声を聞けなければ行動は無意味"
去る3月31日、韓流通りと呼ばれる日本 東京 新大久保で日本右翼団体会員たちが‘テレビから韓国人がいなくなりますように’というスローガンを書いたプラカードなどを持ってデモを行っている。

‘韓国嫌悪’焚きつけはスポーツ・独島(トクト)
福島事故にも関わらず "原発安全" 強弁
不快な事実には目をとじて日常的に歪曲

 舞台後方の壁の中央に大型の日章旗が掲げられている。 人々が席から立ち上がり、君が代(日本国歌)が鳴り響いた。 黒のスーツを着た司会者が他の二人を連れて舞台に上がってきた。 3人は順に日章旗に向かって頭を深く下げた。 司会者は片足を曲げ伸ばしたり、マイクを持っていない方の腕をまっすぐ伸ばして頭の上に上げたり、あっちこっちに手を伸ばしながら、大衆煽動をするように強いトーンで話を繋いでいった。 彼の口から‘南朝鮮’(韓国)という言葉が流れ出た。

 "日本にいる不逞な外国人を追い出さなければならない。" 席に座った人々の間から "そうだ" という声が流れ出た。 開会を知らせ舞台を離れ、3人はもう一度順番に日章旗に向かってお辞儀をした。

 去る1日昼12時30分頃、日本 東京の荏原平塚区民会館1階ホールの姿だ。 ‘在日韓国人の特権を許さない市民の会’(在特会)をはじめとする日本の右翼団体が‘行動する保守運動 東京総決起大会’を開いた。 382ある座席の内、10人余りの報道陣を除けば、130席ほどが満たされた。 20~30代が半分くらいで、老人はきわめて少なかった。 3時間30分にわたったこの日の室内集会は日本右翼らの主張を直接そのまま聞ける珍しい機会であった。

■ "第2次嫌韓ブームが起きている"

 八木康洋 在特会副会長が最初の講演者として立った。 彼は自らを‘ネット右翼’(インターネットを舞台に活動する右翼)だと呼んだ。

 "昔も‘朝鮮’(北韓)が嫌いだという話はあった。 しかし韓国が嫌いだという話はなかった。 韓国はわが方という考えがあった。 2002年ワールドカップが開かれる前まではそうだった。"

 八木は2002年韓国と日本が共同で主催したワールドカップの時、第1次嫌韓ブームが起きたと主張した。 韓国が不公正なプレーをしたし、それを契機にインターネットで‘在日韓国人の特権問題’が議論され始めたということだ。 彼は韓国-イタリア戦を例にあげて、「韓国が政治、スポーツでロビーをしているという認識が広がった」と話した。 当時日本が史上初めて16強に進出したが、韓国は4強まで上がった。 八木はネット右翼がリードする嫌韓ブームが‘朝鮮学校に対する批判’を始めて勢力を大きく伸ばしたと自評した。

"2009年フィギュア スケート問題で2次嫌韓ブームが起き始めた。"

 八木はこれについては具体的な説明をしなかった。 日本のインターネット サイトにはこの問題と関連して、2009年3月キム・ヨナ選手が‘競技直前練習の時、進路妨害がしばしば起きる’として、日本選手たちの妨害疑惑を提起した話が大きく上がっている。 キム・ヨナ選手が成績に対する圧迫感のためにそのような理由を挙げたという説明も付いている。

八木は 「2次嫌韓ブームに乗る人が増えている」として 「自信を持って戦って行こう」とトーンを高めた。

■ "原発は安全だ"

 国家社会主義者同盟副代表を務め、広島市議会議員を歴任したりもした瀨戸弘幸が2番目の講演者として立った。 福島第1原発事故の時、民主党政権が原発に対する不安感を大きくするために不正な手を使ったという主張を前面に掲げた。

 「85人の科学者が2年間研究して提出した報告書を基に国連科学委員会が5月27日から会議を開いている。 報告書は住民の健康に何ら影響がなく、今後もそうだと言った。 私も福島に住んでいて不安だったが、在特会は初志一貫、福島原発事故は人体に影響がないとして、原発を再稼働しなければなければならないと主張した唯一の団体だ。」(瀬戸は去る2月、世界保健機構(WHO)が福島周辺の子供の癌発生率が最大で9倍高くなりえると明らかにした事実は論じなかった。)

 彼は「菅直人 当時総理は福島原発事故の等級を‘レベル7’に格上げしてチェルノブイリと同じ等級にしてしまった」と批判して、「菅総理は‘自分が(原発に)到着する前に原子炉から排気するな’と命令し、事故を拡大させた」と非難した。 反原発派の菅前総理が福島原発事故を利用して日本のすべての原発を止めようとしたと彼は主張した。 彼は‘水素爆発’が起きた福島原発で‘水蒸気爆発’が起きたと何回も誤った表現を使った。

■ "拝外主義でも良い"

桜井誠 在特会会長は弁舌がとてもうまい。 彼は‘ユー’という名前のゲストとともに舞台に登場した。

 "韓国に竹島(独島の日本式表記)から出て行けと言うことを拝外主義だと言うならば、拝外主義は良いことではないですか?" ゲストとして出てきたユーの言葉に大きな拍手が起きた。

 桜井は5月24日、大阪で日本人2人を凶器で刺して警察に逮捕された韓国籍の31才の男が 「相手が本当に日本人ならば何人でも刺したかった」と話した事件を取り上げ、裁判が終わる前に精神異常と結論付けたことに憤慨した。 桜井は50万人に及ぶ在日同胞の中で1年に5000人が犯罪で検挙されているとも主張した。 日本警察庁の統計を見れば、2012年の在日韓国人検挙者数は1007人だ。

 桜井は「韓国で安倍晋三総理と橋下徹大阪市長の面に向かってタマゴを投げる写真が新聞に載った、それは‘ヘイト’(憎しみ表現)ではないのか」として「マスコミは答えてみろ」と最後部の席に座っていた報道陣を見つめた。 あちこちから 「答えろ」という声があふれた。

 彼は「日本政府が在日韓国人には帰化条件を緩和して特権を与えたのに彼らは帰化しない。 日本に愛着心がないためで、在日韓国人として生きることが特権を享受できるためだ」と声を荒げた。 (在特会は生活が苦しい在日韓国人が生活保護給付を受けていることも特権だと強弁している。 生活が苦しい外国人は全て受けられるが、外国人の中で在日韓国人が最も多いのでその数値を浮き彫りにする。 地下鉄駅などに韓国語で案内する内容を別途表示することも彼らは不快に思う。)

 桜井は 「良い意味でも悪い意味でも在特会は今日本で最も注目される団体だ。 今日ここにフランス、韓国、日本のメディアが全て来た」として<ハンギョレ>等の韓国言論に向かって「我々が恐いという声を聞けなければ、私たちの行動は意味がない。 韓国人が‘日本人死ね’と言うことに対する我々の怒りを韓国人に必ず伝えてほしい」と話した。

■ "死ね、殺せ、使い続けよう"

 行事を終える前、中井ケイノスケ‘新日の丸友の会’代表、冨成 一秋 ‘東京青少年の会’代表、金子吉晴‘日本の自存自衛を取り戻す会’代表、菊川あけみ‘日本侵略を許さない国民の会’代表、金友隆幸 排害社(拝外主義運動団体)元代表が出てきて一言ずつ付け加えた。

 菊川は 「私たちはデモで‘死ね、殺せ’という表現をたった一回使っただけなのに、ずっとそれがクローズアップされている。 そうなら今後もずっとそれで行こう」と話した。 中井は「犯罪韓国人を一掃する新しい団体を作る」と話した。 金子は安倍晋三総理が国会で新大久保デモの過激な表現に遺憾を表明したことに対して「我々がいるから彼らが中道に見えるのに、有り難く思うべきではないか」と話した。 彼らは異口同音に‘韓-日断交’を主張した。

 主催側はこの日インターネット生中継を同時視聴した人が8500人余りと明らかにした。人口1億3000万人に達する日本で、彼らの声に耳を傾ける人はそれほど多くないという事実を見せる数値だ。

東京/文・写真 チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/590823.html 韓国語原文入力:2013/06/06 20:17
訳J.S(3438字)

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