登録 : 2015.09.11 00:17 修正 : 2015.09.11 07:04

日本の緑藻専門家・韓国内学者が堰近隣の現場調査…死に至る“マイクロシスチン-LR”を確認…洛東江流域で深刻…水道管に“時限爆弾”流れる状況

 1996年2月、ブラジルはカルアルのある病院の血液透析センター。治療を受けた患者60人余が大量死亡した。病院で使用している水道水の源水は近隣の貯水池から吸い上げた水。 当時、この貯水池には藍藻が生い茂った状態だった。いわゆるアオコが繁茂していたわけだ。

 調査の結果、浄水施設のフィルターはもちろん患者の血清、肝細胞から藍藻類の毒素が検出された。 毒素の名前はマイクロシスチン。 人間に致命的な害を及ぼす。 1991年、日本のある研究チームはマイクロシスチンが人間に肝臓癌を誘発するという報告をした。亡くなった患者たちは完全に濾過・消毒されていない水を供給され、大量死したのだ。

 2015年7月、韓国の洛東江(ナクトンガン)。慶尚北道星州郡船南面道成里の白川と洛東江の合流点。 長さ2キロメートルにかけて魚数千匹が全滅した。 星州(ソンジュ)郡が7月13~15日の3日間かけて回収した魚だけでも1500匹余り。 川底に沈んだものまで加えれば数千匹に達すると推定された。

■例年行事になった洛東江の魚全滅

今年8月、韓日緑藻共同調査団が錦江で確認した藻類であるマイクロシスティス。 毒素であるマイクロシスチン-LRを作る種だ =キム・チョンスル記者提供//ハンギョレ新聞社

 洛東江の魚全滅は毎年続いている。 2012年、漆谷(チルゴク)堰の上流にある亀尾市の東洛公園近隣で魚数万匹が集団死した。昨年は漆谷堰の上流と下流で白魚が全滅した。全て2012年李明博政権の4大河川事業で洛東江一帯に巨大なコンクリート堰が建設された後に起きたことだ。

 魚全滅の一次的原因は水中酸素が減ったためだ。 洛東江流域だけで8個の大型堰が建設された。 これらの堰が水路をせき止め川は事実上の湖になってしまった。 本来は川底になければならない砂がなくなり、泥が大部分を覆った。泥は各種の浮遊物質が沈んで腐敗したものだ。 泥の酸素濃度は0に近い。 このような状況で雨が降れば、水の上下がさかさまになる転倒現象が起き魚が集団死することになる。

 川底の泥をなくすには、堰の水門を開かなければならない。 しかし、政府は2012年の4大河川事業完工後、ほとんど水門を開いていない。深刻なアオコ現象のためにやむを得ず水門を開いても、ちびちびと開放する水準に止まっている。 そのため川の水の表層にある緑藻が一部流れて行くだけで、水中生態系汚染の主犯である泥は依然川底を覆い尽くしている。 洛東江の魚全滅は、一つの“例年行事”になってしまった。

 今年、アオコは洛東江を6月初めから覆った。 尚州(サンジュ)堰の藍藻類個体数(表層藻類)は2012年に1ミリリットル当たり174個だったが、今年は1943個で11倍に増えた。 わずか3年間だ。月城(ウォルソン)堰は、3年間に藍藻類個体数が1019個から1万1860個に急増した。 他の堰でも毎年藍藻類個体数が増加している。

 その上、ブラジルで血液透析患者を死に追いやった毒素、マイクロシスチン-LRが洛東江で猛威を振るっている。 9月4日基準で環境部水環境情報システムの資料によれば、漆谷堰のマイクロシスチン-LR数値は、昨年の2.4ppbから今年は5.2へ倍以上増加した。 江亭高霊(カンジョンコリョン)堰は1.5から3.4、昌寧(チャンニョン)咸安(ハマン)堰では1.1から3に3倍近く増えた。 世界保健機構(WHO)の勧告基準である1ppbを軽く越えている。特に今年の数値の場合、今も調査が進行中だが一週間ごとに数値が高くなっている。 環境部は2013年からマイクロシスチン-LRを飲用水水質監視項目に指定し管理している。

■川の水に直接接触している漁民に致命的

 チョン・スグン大邱(テグ)環境運動連合事務局長は「これまで環境部は源水(川の水)からマイクロシスチン-LRは検出されていないと発表してきたが、これは姑息な手に過ぎない。川水試料から緑藻を除去し、溶解した成分だけを調査している。 川の水に直接接触する漁民や遊覧船事業者にとって非常に危険なのに、環境部は無責任な結果を発表してきた」と指摘した。

 洛東江の水を飲料水として使う大邱、慶尚北道、釜山、慶尚南道の住民は1300万人に達する。 肝臓癌を誘発するほどに致命的な毒素が溶け込んだ川の水が飲料水として供給されているわけだ。 環境部側は高度な浄水処理を通じて毒素を99.8%以上除去できるという見解だ。しかし、浄水処理が完ぺきにされない水が水道管により家庭に供給される可能性は常にある。水道管に“時限爆弾”が流れているわけだ。

 「緋緞江(絹の川)」と呼ばれる程に水がきれいだった錦江もまた深刻なアオコに苦しんでいる。 藻類(クロロフィル-a)濃度が毎年上昇している。 全国16の堰の中で最も規模の小さい世宗(セジョン)堰では、2012年に23.9ミリリットル/立方メートルだった藻類濃度が、今年は45.5に倍近く上昇した。 藍藻類個体数増加幅はさらに大きい。 2012年に1ml当たり361個だった藍藻類個体数は、2015年には791個に2倍以上増加した。 忠清南道の公州(コンジュ)堰でも藻類濃度が2012年の32.8から今年は40.5に毎年増加していて、藍藻類個体数は2012年の533個から今年は954個に大幅増加した。

 錦江流域の3個の堰の中で百済(ペクチェ)堰の汚染が最も憂慮されている。百済堰の藻類濃度は2012年の27.7から2013年には42.7に急増し、2015年には41.4と測定された。 藍藻類個体数は4大河川事業の完工初年度である2012年454個水準から翌年には1464個に3倍増加したし、2014年2616個、2015年5798個へと年を経るほど2倍ずつ増えている。百済堰一帯では2012年10月に数十万匹の魚が全滅しもした。

 流れていなければならない川の水が湖のように停滞した結果、川ではそれまで発見されなかったオオマリコケムシ(外肛動物)の個体数も急増している。 大田(テジョン)環境運動連合が2014年7月から今年6月まで5回にわたり調査した結果、オオマリコケムシの大きさと個体数、棲息範囲が全て増えたことが確認された。 昨年には1立方メートル当たり野球ボール大のオオマリコケムシ1~3個が発見されたが、今年はサッカーボール大になったうえに、個体数も3~5個に増えた。 公州の正安(チョンアン)川近隣では直径が50センチに達するオオマリコケムシが確認された。公州の双新公園では長さ350センチの群体が長く繋がっているのも発見された。

■手のほどこしようもなく増えるオオマリコケムシ

錦江で猛威を振るっているオオマリコケムシの群体。1ミリ内外の個体が集まって巨大な群体を作っている =パク・ヨンフン作家提供//ハンギョレ新聞社

 8月27~29日、日本の熊本環境保健大学の 高橋徹教授をはじめとする緑藻専門家と韓国内の学者・環境運動家が漢江(ハンガン)、洛東江、錦江、栄山江(ヨンサンガン)の堰近隣で緑藻現場調査を行った。 現場において顕微鏡で1次確認した結果、4大河川の全てから毒素であるマイクロシスチン-LRが確認された。 日本側の専門家たちは試料を日本に持って行き精密検査を行っている。

 パク・チャンジェ環境運動連合活動処長は「マイクロシスチンが魚介類と農作物に被害を与えるということはすでに確認されている事実だ。 日本側の専門家たちが今回採取した4大河川試料で化学的、免疫学的、遺伝学的精密分析をしているので、長ければ1カ月程度かかると予想される」と話した。

チョン・ジンシク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-10 16:20
http://www.hani.co.kr/arti/society/environment/708285.html 訳J.S(3418字)

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