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「ドライバーなしで走行」…韓国政府、2027年までに自動運転「レベル4」商用化

登録:2025-11-26 18:43 修正:2025-11-27 09:52
自動運転実証都市を造成 
収集映像の活用規制を緩和
カリフォルニアの道路を走行しているグーグルウェイモのロボタクシー=ウェイモ提供//ハンギョレ新聞社

 韓国政府はレベル4(特定区間でドライバーなしで自動運転が可能な水準)の自動運転車の商用化のために、都市全体が自動運転実証区域である「自動運転実証都市」を来年までに造成する。自動運転技術の先導国である米国や中国のように、研究・開発(R&D)目的で収集した映像データはモザイク処理なしで活用できるようにする。

 韓国国土交通部は26日、政府ソウル庁舎で開かれた経済関係長官会議兼成長戦略TFで「自動運転車産業の競争力向上案」を通じてこのように明らかにした。8月の新政府経済成長戦略で明らかにした「2027年自動運転レベル4サービス本格商用化」目標の後続措置で、現在レベル3(特定区間で非常時のみドライバーが運転する水準)である韓国の自動運転レベルを、米国や中国と同じレベル4に引き上げる趣旨だ。

 このため、政府はまず米国のロサンゼルスや中国の武漢のような自動運転実証都市を来年までに造成することにした。現在、全国47カ所の試験運行地区で自動運転シャトルバスなどが運行されているが、制限的な路線・区間が中心であるため実証範囲が狭いというのが政府の判断だ。これを受け、都市単位の実証区域を設け、100台以上の自動運転車を投入し、より広い地域での大規模な実証を支援する方針だ。国土交通部の関係者は「投入される自動運転車はウェイモ(グーグルの自動運転車の子会社)が行っているようにタクシー形式になるだろう」と説明した。

 自動運転企業が研究・開発のために収集する映像データに対しても仮名処理(モザイク処理)なしに使用できるよう関連法の改正を推進する。現在は企業が映像データを収集・活用するためには「撮影中であることを表示した車」を利用し、映像を収集した後には歩行者の顔および車のナンバープレートなどにモザイク処理をしなければならない。個人情報保護のための措置だが、歩行者の視線や動きを識別できるようになれば、より効果的な自動運転技術の開発が行われるという。国土部は「映像データのモザイク処理は映像データ原本を活用中の米国・中国に対して技術格差が出る原因」とし「映像原本の活用時にはモザイク処理映像に比べて認識の精度が最大25%向上する」と補足した。政府は現在、ドライバーの直接運転(手動走行)のみ可能な交通弱者保護区域でも速度制限などの安全計画を立てれば自動運転ができるよう、臨時運行要件も緩和する計画だ。

 この他にも政府は自動運転車専用グラフィック処理装置(GPU)を確保・支援し、AI学習センターを造成するなど、研究・開発支援を増やすことにした。ドライバーのいないレベル4の自動運転車が交通事故を起こした時、法的責任の主体を明確にする法改正を推進する一方、自動運転タクシーによる既存のタクシー業界の被害を最小化するために政府・自動運転業界・タクシー業界の社会的協議体も設けることにした。

シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1231254.html韓国語原文入力:2025-11-26 09:10
訳J.S

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