本文に移動
全体  > 経済

米海軍作戦部長、韓国の主要造船所を訪問…米軍艦建造につながるか

登録:2025-11-16 20:01 修正:2025-11-17 08:47
HD現代のチョン・ギソン会長が15日、HD現代重工業蔚山造船所を訪問したダリル・コードル米海軍作戦部長と記念写真を撮っている=HD現代重工業提供//ハンギョレ新聞社

 韓米政府が関税・安保分野の合意内容を盛り込んだ「ジョイントファクトシート」(共同説明資料)を発表した翌日の15日、米海軍作戦部長が韓国国内の主要造船所を相次いで訪問し、米軍艦艇を韓国で建造する可能性が高まったとの期待が出ている。

 ダリル・コードル作戦部長は15日、HD現代重工業蔚山本社とハンファオーシャン巨済事業場を訪ね、韓国の艦艇建造現場を視察し、韓米両国の造船業協力事業である「MASGA(米国造船業を再び偉大に)」の協力方策などを議論した。同氏はHD現代重工業のチョン・ギソン会長の案内を受けて商船の建造現場を視察し、イージス2番艦「茶山丁若鏞」に乗り込んで先端戦闘システムと作戦運用能力に関するブリーフィングを受けた。艦艇システムを整備していた米ロッキードマーティン社のエンジニアや米海軍管理者を激励する場面もあった。「茶山丁若庸」はロッキードマーティン社とHD現代重工業が協力して建造したイージス艦で、両国の艦艇建造協力の模範事例に挙げられる。

 コードル部長はまた、ハンファオーシャン巨済事業場を訪問し、同社が維持・補修・運用(MRO)作業を進行中の米海軍の補給艦「チャールズ・ドリュー艦」を訪ね、進行状況を確認した。ハンファオーシャンは昨年8月に米海軍軍需補給艦「ウォリー・シラー」を、11月には「ユーコン」のMRO作業を実施し、米海軍に引き渡した。今年7月には「チャールズ・ドリュー」の整備事業を受注し作業を進めている。コードル部長は、液化天然ガス(LNG)運搬船や超大型コンテナ船など商船ブロックを製作する組立1工場で、船舶補強材10個を同時に自動溶接する「ロンジ」の自動溶接装備と船舶ブロック溶接ロボットに関心を示したとハンファオーシャンは説明した。

ハンファオーシャンのキム・ヒチョル代表取締役(左)が15日、巨済事業場を訪問したダリル・コードル米海軍作戦部長に艦艇建造現場を紹介している=ハンファオーシャン提供//ハンギョレ新聞社

 このような動きをめぐり、造船業界では艦艇などの領域で米国市場進出を期待する声が出ている。特に韓米両国が14日、ジョイントファクトシートに「韓国内での潜在的な米国船舶建造を含め、最大限迅速に米国の商業用船舶と戦闘遂行が可能な米軍戦闘艦の数を増加させる」という内容を盛り込んだ点は、このような期待感を高める要因だ。

 ただ、懸念の声もある。現在、本格稼動する動きを見せているMASGAプロジェクトの核心は、米軍艦の韓国内建造ではなく、米国造船業再建のために韓国が1500億ドル規模の対米投資をするという内容であるうえに、トランプ政権は米国で船舶を建造することを強調しているためだ。米国現地の造船所の老朽化、米国内規制と労働文化、人件費の負担などを理由に、韓国の造船業界がためらっている面がある。造船業界関係者は「軍艦全てを韓国国内で建造することは難しいだろうが、少なくとも一部のモジュールでも韓国で作って米国で組み立てることができれば、韓国企業はより積極的に受注に乗り出すことができるだろう」と話した。

 米海軍艦艇などの軍艦を米国内の造船所だけで作るよう規定した米造船産業保護法(バーンズ・トレフソン法)も乗り越えなければならない課題だ。コードル部長は14日、韓国の記者団に対し「戦闘艦(軍艦)を韓国で建造する問題は、関連立法と規制、議会の関心と関連の細部事項を調整しなければならない」とし、「米国は(関連事項を)真剣に検討しなければならない」と述べた。米議会は今年2月、同盟国の造船所でも米海軍の艦艇を建造できるよう「バーンズ・トレフソン法」の例外を適用する「海軍準備態勢保障法案」を発議し、検討中だ。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1229511.html韓国語原文入力:2025-11-16 19:04
訳J.S

関連記事