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「ジェンスン・ファンの贈り物」ネイバー、サムスン、SK、現代自・・・AIで勝負

登録:2025-11-10 09:07 修正:2025-11-10 10:15
企業、NVIDIAのチップセット26万枚の活用計画を具体化 
ネイバーはAI秘書「エージェントN」、サムスン電子は工場高度化 
SKは「デジタルツイン」工場、現代自は自動運転・ロボット開発
先月30日にソウル江南で開かれたエヌビディアの「GeForce(ジーフォース)」25周年イベントで舞台に上がったサムスン電子のイ・ジェヨン会長(左)と、エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(右)/聯合ニュース

 大規模な人工知能(AI)用グラフィック処理装置(GPU)の導入を控え、サムスン、SK、現代自動車などの各社のチップ活用計画も具体化している。韓国経済の伝統的モデルである財閥大企業中心の投資集中戦略がまたも速度を上げている。

 6日のハンギョレの取材を総合すると、最も素早く動いている企業は、6万枚のエヌビディア(NVIDIA)のGPUの購入を決めたネイバーだ。ネイバーが6日に公開したAI事業戦略によると、来年のGPUへの投資額は1兆ウォンを超え、今年(6000億ウォン)の2倍ほどになる見通し。ネイバーのチップ投資額は2023年1300億ウォン、2024年2300億ウォンだった。

ネイバーのチェ・スヨン代表が6日、ソウルのCOEXで開催された年次統合カンファレンス「DAN25」で基調発言をおこなっている=ネイバー提供//ハンギョレ新聞社

 新たに確保したチップは、ネイバーが開発中の韓国独自のAIモデルの開発の高度化はもちろん、フィジカルAIプラットフォームの構築および企業サービス、独自のAI秘書(エージェントN)の導入などに投入される予定だ。これは、ネイバーが現在運用中の江原道春川(チュンチョン)、世宗(セジョン)のデータセンターなどを基盤とした企業用クラウド(オンライン上の仮想サーバ)サービスが、製造業に特化したフィジカルAI分野にまで拡大されることを意味する。

 「メモリー強者」のサムスンとSKは、既存の半導体工場の高度化にエヌビディアのチップを集中投入するのが特徴だ。サムスン電子は国内外の半導体工場とインフラに5万枚以上のGPUを分散導入し、AIを基盤とする「スマート工場」にアップグレードするほか、独自のロボット技術の開発などにも活用する計画だ。

 SKグループは、2千枚のエヌビディアのチップをSKハイニックスの龍仁(ヨンイン)半導体団地(クラスター)近くの新規施設に投入することにしている。これを基盤として既存の工場を仮想環境に映し出してシミュレーションし、半導体の製造工程などを改善する「デジタルツイン」サービスに着手する方針だ。その他、5万枚はアマゾンウェブサービス(AWS)と共に国内最大の製造業密集地域である蔚山(ウルサン)に建設しているAI用データセンターに搭載し、産業用AIサービスなどに用いる。サムスンがエヌビディアのチップを「内部用」として使うのにとどまるのとは異なり、SKは活用先を外部サービスにまで広げるわけだ。

 現代自動車グループは、既存の完成車工場とグループ会社などがエヌビディアのチップを用いて工場のデジタルツイン導入、ロボット・自動運転の開発などに乗り出すものと予想される。現代自動車グループもSKと同様、国内にAI用データセンターを新規に建設する計画も打ち出している。これは、単なる内部でのAI技術の接ぎ木や開発にとどまらず、今後はデータセンター分野に事業を拡大する可能性があるということを意味する。

 先日のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議を機に韓国を訪れたエヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は先月31日、韓国の政府と企業に26万枚のGPUを供給することを明らかにしている。

パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1227872.html韓国語原文入力:2025-11-07 06:00
訳D.K

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