韓国の65歳以上の高齢層は世界の主要国と比べて最も多く職場に出ているが、主に労働条件が劣悪な職に従事していることが分かった。
韓国国会予算政策処が先日発表した報告書「高齢層の経済活動実態および所得空白」を27日に確認したところ、韓国の65歳以上の雇用率(65歳以上の人口に占める就業者の比率)は2024年末基準で38.2%。国際比較が可能な2023年末基準で見れば、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中で最も高い数値だ。これは加盟国の平均(13.6%)はもちろん、代表的な高齢化国である日本(25.3%)よりもはるかに高い。
報告書では、韓国の高齢層が引退後に年金だけでは生計を十分に立てることが難しく、再び雇用戦線に飛び込んでいると分析された。2024年基準の年金所得者である65歳以上の高齢層の年齢別月平均年金所得は74万~87万ウォン(約7.8~9.1万円)で、単身世帯の月最低生計費の134万ウォン(中位所得の60%、約14.1万円)に大きく及ばなかった。
雇用の質も劣悪だった。65歳の賃金労働者のうち61.2%が非正規職であり、この比率は年齢が高くなるほど次第に増え、70歳では85.1%に達する。65歳の就業者の49.4%は従業員10人未満の零細事業所で働き、単純労務職が35.4%で最も多かった。
これは急激な賃金低下にもつながった。定年前の年齢である55~59歳の賃金労働者の月平均賃金は350万9千ウォン(約36.8万円)だったが、引退後に再就職する年齢である60~64歳は278万9千ウォン(約29.3万円)に減った。
報告書は、高齢層の賃金低下と雇用不安定の背景として「キャリア断絶」問題を挙げた。青壮年時代に勤めた主たる職を離れて再就職した65歳以上の賃金労働者の内、53.2%が現在従事している仕事は過去の経歴とは「全く」または「あまり」関連がないと答えた。
報告書は「高齢層の過去のキャリアと関連性が高い職に長く留まれるよう、高齢層のための再就職支援と雇用のミスマッチの解消策を模索しなければならない」と説明した。