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3回の利下げは韓国経済にとってどれだけプラスになるだろうか

登録:2025-03-14 06:55 修正:2025-03-15 09:31
物価上昇率、今年0.09%だが、来年は0.20%の見通し
ゲッティイメージズバンクより//ハンギョレ新聞社

 基準金利の引き下げの影響で、今年の韓国の経済成長率は0.17ポイント高くなるものと分析された。物価上昇率は0.09ポイント、家計負債増加率は0.6ポイントそれぞれ上がるものと推定された。利下げの影響は、今年より来年にさらに大きくなるとの予想だ。

 韓国銀行は13日発表した報告書「基準金利の引き下げの効果の点検および示唆点」で、昨年10月以後、基準金利を3回にわたり0.75ポイント引き下げた(年2.75%)効果が時差を置いて成長と物価、家計負債などに及ぼす影響を計量分析した。

 まずマクロ計量モデルを使い成長率効果を分析してみると、3回の利下げが今年と来年の国内総生産(GDP)の成長率を各々0.17ポイント、0.26ポイント高めるものと推定された。韓国銀行は2月に発表した修正経済見通しで、今年と来年の成長率をそれぞれ1.5%、1.8%と予想したが、これは過去3回にわたる利下げの影響と今年予定された追加利下げの可能性まで反映されたものだ。

 報告書は「利下げへの期待が早くから市場に反映され、短期金利が引き下げられたことにより、景気浮揚効果が過去より大きく現れている」と診断した。利下げへの期待が先に反映されたのは、直前の利下げ幅(3.00ポイント)が大きく、高点(3.50%)の持続期間(20カ月)が長かったうえ、主要国の金融政策転換への期待でグローバル金利水準が2023年末から下がった点などが影響を及ぼしたことを意味する。現在、変動金利融資(家計向け融資残高の54%)の大半は、1年未満の短期金利に連動している。

 利下げで物価上昇の圧力は高まるだろうが、大幅なものではないと予想された。マクロ計量モデルの分析の結果、3回の利下げの影響で、今年と来年の物価上昇率はそれぞれ0.09ポイント、0.20ポイント高くなることが分かった。韓銀の今年と来年の物価上昇率の見通しはそれぞれ1.9%。報告書は今後の成長率鈍化で需要圧力が低くなり、物価上昇圧力がかなり相殺されると予想した。

 今年と来年の家計債務の増加率はそれぞれ0.60ポイント、1.53ポイント高くなるものと推定された。報告書は「最近の住宅市場の需要・供給条件を考えると、家計債務の増加傾向においては当分鈍化の流れが続くものと予想されるが、今年の住宅市場は上方・下方要因が混在しており、不確実性が高い状況」だと分析した。今年に入って金融環境の緩和、逆伝貰(チョンセ)(伝貰契約の更新時に従来の伝貰価格より新規の伝貰価格が下がる場合)状況の解消による伝貰資金の需要は上方要因として、マンション分譲および入居物量の減少、景気萎縮による投資需要の減少は下方要因としてそれぞれ働くだろうという説明だ。

 家計向け融資の月別増加幅は昨年8月に10兆ウォン(約1兆150億円)近くになった後、9~12月に4~5兆ウォン(約4060~5070億円)台に減り、1月に減少に転じたが、2月には再び4兆ウォン台になった。報告書は「政府がマクロ健全性政策を強化した場合、利下げが住宅価格および家計債務に及ぼす影響は政策緩和局面の時の3分の2以下に縮小されることが分かった」とし、「金融環境が緩和される中、銀行の家計向け融資管理基準の緩和や、ソウルの一部地域の土地取引許可区域の指定解除などが、住宅価格上昇への期待と家計債務の増加傾向を刺激する可能性に留意する必要がある」と指摘した。

 特に家計債務や住宅価格の影響は金利が低くなるほど非線形的に拡大する傾向があると分析された。低金利(貸出金利3.2%以下)と中金利(3.2%〜4.8%)の時期を実証比較してみると、低金利区間で家計向け融資の増加は2.7倍、住宅価格の上昇は1.9倍さらに大きくなることが分かった。1月基準で預金銀行の貸出金利は年4.65%水準。報告書は「今後の追加利下げを考えた場合、新規住宅供給の減少などと相まって家計向け融資が予想より大きく増える可能性がある」と指摘した。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1186815.html韓国語原文入力: 2025-03-13 19:05
訳H.J

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