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新社屋の設計変更でソウル市との合意前に…現代自動車、鳥瞰図の公開を「強行」

登録:2024-05-21 08:01 修正:2024-05-21 09:22
ソウル市、105階から55階建てへの設計計画に「ブレーキ」 
現代車「再交渉事項ではない」…未合意の鳥瞰図公開
現代自動車グループが20日に新たに発表したGBCの鳥瞰図=現代自動車提供//ハンギョレ新聞社

 現代自動車グループの「三成洞(サムソンドン)新社屋」建設計画をめぐり、現代自動車とソウル市との意見の相違が拡大している。現代自動車が105階から55階2棟へと設計計画を変更したことに対し、ソウル市が「再交渉」の必要な事案だとしてブレーキをかけているのだ。いっぽう現代自動車は、デザイン変更は再交渉事案ではないとの立場だ。

 現代自動車は20日、ソウル江南区(カンナムグ)三成洞の旧韓電所有地に建設中の「グローバル・ビジネス・コンプレックス(GBC)」の新たな鳥瞰図を公開した。新たな鳥瞰図では、これまでの105階建て超高層タワーではなく、55階建ての2棟のタワーに設計が変更された。GBCは55階建てタワー2棟と低層部4棟(文化施設、駐車場など)の計6棟からなる。現代自動車はこの日、GBCの名称も「グローバル・ビジネス・センター」から「グローバル・ビジネス・コンプレックス」へと変更した。

 現代自動車による設計変更は、建設コストの増加などを考慮したものとみられる。現代自動車の関係者は「内外の経営環境の変化、グループの未来戦略、エコ、実用性、安全などを考慮して設計を変更した」とし、「超高層計画の変更で投資コストの削減が予想されるが、削減されたコストをエコ、未来技術の適用などに投資する」と述べた。

 しかし現代自動車の決定に対し、許認可権を持つソウル市はブレーキをかけている。原案を変更したのだから、公共への貢献などについてソウル市と再交渉すべきだというのだ。ソウル市の関係者はこの日、「現代自動車の都市管理計画変更提案に関し、ソウル市は超高層ランドマークを前提とした2016年の事前交渉の結果に変更が生じたため、追加交渉が必要だとの意見を今月2日に現代自動車側に伝えた」とし、「現代自動車と緊密に協議し、調整する予定」だと述べた。

 これまでの協議で現代自動車とソウル市が合意した公共貢献額(寄付採納)は1兆7491億ウォン(約2010億円)。物価上昇分を反映すれば2兆1000億ウォン(約2410億円)を上回る可能性があると現代自動車は見込んでいる。

 現代自動車がソウル市と合意していない鳥瞰図を公開したことから考えると、現代自動車は公共貢献などについてソウル市との見解の溝を埋めるのは難しいと判断したものとみられる。現代自動車は、ソウル市の条例を内部的に検討した結果、デザイン変更は再交渉事案ではないとの判断を下したという。現代自動車の関係者は、「今回の設計変更案は建物の高さ、デザインなどの建築計画中心の変更だ。ソウル市の速やかな認可を期待する」と述べた。

チョン・スルギ、キ・ミンド記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1141302.html韓国語原文入力:2024-05-20 17:05
訳D.K

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