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現代自動車「黒鉛、中国の供給先をすぐには変えられない…調整に時間が必要」

登録:2024-01-22 20:04 修正:2024-01-23 07:51
米政府に一時許可を要請
現代自動車アラバマ工場の生産ラインの様子(2022年)=現代自動車提供//ハンギョレ新聞社

 韓国の自動車とバッテリーの業界が、一部の重要鉱物を中国で調達しても一時的にインフレ抑制法(IRA)による補助金を受けられるようにしてほしいと米政府に要請した。新しい規定と指針を企業が理解しやすく明確にしてほしいとの改善案も提示した。

 21日(現地時間)の米国政府の官報によると、現代自動車グループは18日に米国政府に提出した意見書で、特定の重要鉱物の場合、電気自動車(EV)のバッテリー供給網からFEOC(懸念される外国企業)を直ちに除去することは「非現実的」だという立場を伝えた。

 現代自動車は「中国は2022年に全世界の球状黒鉛(spherical graphite)の100%と合成黒鉛の69%を精製・生産している。他の国々が短期間で中国を代替できない可能性が高い」と指摘した。続いて、一時的に原産地と関係なくバッテリーとバッテリー部品の製造に使用できる重要鉱物の名簿を導入し、その名簿に黒鉛も含めてほしいと提案した。

 米政府はIRAに基づき、米国で生産された特定条件のEVにのみ補助金の恩恵を与えている。EVの補助金を受けるためには、バッテリー部品は今年から、そしてバッテリーに入る重要鉱物は2025年から、米国の指定したFEOCから調達してはならないという規定を設けた。米国は昨年12月1日に発表した細部規定案で、FEOCを事実上中国にあるすべての企業と規定しているため、これは現在中国産の重要鉱物に大きく依存する世界のEVとバッテリー業界に大きな負担になるという見通しが出た。実際、この規定が施行されれば、米国でEVの補助金を受けられる車種は昨年末の43車種から今年は19車種に減ることになる。現代自動車は米アラバマ工場でEV「GV70」を生産しているが、補助金対象から除外された。

 現代自動車グループは意見書で「規定に従おうとしているが、現市場の環境を無視することはできず、バッテリー製造に必要な供給網を調整するには時間が必要だ」と述べた。さらに「規定案が市場環境と関係なく直ちに変化を強制するならば、現代自動車グループは最善の努力にもかかわらず、米国が設定した政策目標に従えない可能性が高い」と明らかにした。

 現代自動車は、特定の重要鉱物の占める価値が一定金額より小さい場合にはFEOCの規定に例外を置く「最小許容基準」を導入してほしいと要請した。現代自動車は、最小許容基準として10%を提示し、バッテリーに使われた重要鉱物全体の価値の10%未満に当たる鉱物には適用しないことを提案した。現代自動車は米ジョージア州にEV専用工場を建てており、今年末に稼動を控えている。

 LGエナジーソリューション、SKオン、サムスンSDIのバッテリー3社と韓国バッテリー産業協会も、FEOCの規定と関連した困難を米政府に伝えた。韓国政府は「企業が理解しやすく規定をさらに明確にし、企業が直面した事業の現実と世界のバッテリー供給網の多角化計画を考慮し、新しい規定に効果的に適応できるよう措置してほしい」と改善を要請した。

 一方、中国の海関総署は、昨年12月の中国産天然黒鉛の輸出量は3973トンで、輸出統制直前だった前月に比べ91%も急減したことを明らかにした。ブルームバーグ通信が22日報道した。天然黒鉛はEVバッテリーの重要素材だ。ただし、中国は輸出の全面禁止ではなく、申請別に審査・許可しており、先月下旬にはポスコフューチャーエムなどへの輸出を承認したと明らかにした。

ホン・デソン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1125442.html韓国語原文入力:2024-01-22 19:14
訳J.S

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