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鉱物・バッテリー・EVの結合…中国の自動車輸出が日本を抜き上半期1位

登録:2023-08-08 20:05 修正:2023-08-09 09:47
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 自動車産業の後発走者だった中国が、ドイツに続き日本を抜いて世界1位の自動車輸出国になった。電気自動車(EV)中心の成長戦略を選んだことが、エコカーを中心に再編される世界の自動車市場の流れと合致した。中国はEV用バッテリー産業の競争力を左右する鉱物まで全方位的に確保しており、世界の自動車産業に対する支配力はさらに大きくなるとみられる。

 ハンギョレが7日、韓国自動車モビリティ産業協会を通じて2019年以降の韓国・中国・日本・ドイツなど主要自動車輸出国の統計を確認した結果、中国の自動車輸出量が2021年から急増したことが分かった。2019年102万台、2020年99万台水準だった中国の輸出量は、2021年には201万台、2022年には339万台と大幅に増加した。今年もその流れが続き、上半期だけで214万台を輸出した。自動車業界の関係者は「中国の輸出が急増したのは、中国のEVメーカーが内需から輸出に目を向けた時と同じ時期だ。内燃機関車では海外市場の攻略に困難を経験したが、バッテリー競争力などを備えたEVは東南アジア市場などを積極的に攻略した」と述べた。

 従来世界1位の自動車輸出国だった日本は、今年上半期の輸出台数が202万台余りとなり、こうした流れが維持されれば、中国に今年1位の座を譲るとみられる。日本は2019年に481万台を記録した後、3年連続380万台程度の輸出にとどまった。伝統的な自動車大国ドイツは382万台(2019年)、290万台(2020年)、263万台(2021年)を輸出し2位の座を守っていたが、昨年(261万台)は中国に2位の座を明け渡した。韓国は今年上半期に142万台を輸出した。世界の自動車市場がEVを中心に再編され始めた2021年以降、EV産業のエコシステムを先行して発展させた中国メーカーが善戦し、順位が激変しているわけだ。

 EV・バッテリーの市場調査会社であるSNEリサーチは、「今年上半期は中国、欧州、北米を除くアジア地域とその他の地域のEV供給量の上昇傾向が目立っているが、中国企業の海外進出が本格的に始まったことを示している」と分析した。

 鉱物-二次電池-EVへとつながる垂直系列化を備えたことが、中国自動車産業の長所として挙げられる。BYDやCATLのような中国のEV・バッテリーメーカーが使うリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーは、これまでエネルギー密度が低く、重くかさばるという短所があったが、最近は他の二次電池より安いという価格競争力が浮き彫りになっている。テスラや欧州の完成車メーカーもリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載することにし、韓国国内のバッテリーメーカーもこのバッテリーの開発に積極的に乗り出している。

 早くからバッテリーに使われる鉱物資源を確保したのも、中国の自動車・バッテリーの「台頭」を支えている。対外経済政策研究院の報告書「中国リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのサプライチェーン分析および示唆点」によれば、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの陽極材生産原価の42%を占める炭酸リチウムの場合、中国需要量の70%が四川、江西、青海など西部地域で生産される。リン酸鉄前駆体の原料であるリン酸塩を作る燐鉱石は、世界生産量の47%が中国にある。バッテリーの重要素材である陰極材を作るのに必須な黒鉛も、中国の世界市場占有率は67%だ。1日から中国が輸出制限措置に入ったガリウムは90%、ゲルマニウムは60%程度が中国産だ。

 産業研究院のチョ・チョル先任研究委員は、「かつて中国車は各国の安全規制にも及ばないほど水準が劣っていたが、EVでは競争力を備えているため成長が続くとみられる。内需を超過するほど供給過剰の側面が続いており、輸出をさらに増やしていく可能性が高い」と指摘した。

2023年4月、中国上海コンベンションセンターで第20回上海国際自動車産業博覧会が開幕した中、展示場が観覧客で賑わっている。新型コロナウイルス感染症で昨年は中止となったが、2年ぶりに開かれる今回のモーターショーには中国内外の1千社余りの自動車メーカーが参加した。展示企業の半分ほどが新エネルギー車モデルと部品で、新エネルギー関連製品への参加が大幅に増えた/聯合ニュース
チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1103407.html韓国語原文入力:2023-08-08 11:22
訳J.S

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