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レアアースを握る中国…輸出時の報告を義務化

登録:2023-11-09 09:00 修正:2023-11-09 10:30
風になびく中国の国旗/ロイター・聯合ニュース

 ガリウム・黒鉛などの鉱物資源の統制を強化している中国政府は、レアアース(希土類)を輸出する際に報告を義務づけることを決めた。今月中旬に米中首脳会談が予想される中、米国の対中国デリスキング政策に対する対抗が目的とみられる。

 7日、中国商務省は「大量製品の輸出入申告に関する統計調査システム」を告示し、レアアースを「輸出申告エネルギー資源製品リスト」に含めた。このため、貿易業者はレアアースを輸出する際、関連情報を政府に報告することが義務づけられた。原産地、契約日、数量、船積み・到着内容、通関のための到着港などだ。新しい規定は、中国が昨年発表した商品申告規制リストをアップデートしたもので、先月31日に発効され今後2年間維持される。

 今回の措置で中国政府が直ちにレアアース輸出規制に乗り出すわけではないが、レアアース輸出を綿密に調べ、必要な場合は規制するという意志は明確に示したものと分析される。李強首相は3日、国務院常務会議を開き、「レアアースは戦略的鉱物資源だ」として、レアアースの探査、開発、活用と標準化された管理を総括しなければならないと表明している。

 台湾中央通信は「中国が今月1日からガリウム、ゲルマニウムなどの半導体素材に対する輸出規制を始めたのに続き、次の段階としてレアアースをターゲットにするだろうという懸念は少なからずあった」として「今回の発表は直接的な輸出規制ではないが、レアアースの輸出管理を強化した措置であると読み取れる」と分析した。

 中国が米国の半導体規制の強化に対抗してレアアースを規制しうるという予想は提起されて続けてきた。中国は昨年末、レアアースの製造技術を海外移転の規制対象としており、7月には半導体素材であるガリウムとゲルマニウムの輸出を規制すると明らかにした。先月には2次電池の原料である黒鉛の輸出規制方針を発表している。

 特に今回の措置は、11~17日に米国サンフランシスコで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でジョー・バイデン大統領と習近平国家主席との二国間会談の開催が有力視される中で打ち出されたため、注目を集めている。中国が米中首脳会談の主要テーマとなる半導体-鉱物規制の分野で事前に手を打ち、会談を有利な方向へ運ぼうとしているということだ。

 中国は1990年代から先進国が環境問題などにより撤退したレアアース採掘・精錬・供給などの市場に参入し、事実上、全世界の市場を掌握した。国際エネルギー機関(IEA)の昨年の資料によると、中国は世界のレアアース採掘の60%、加工の87%を占めている。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1115400.html韓国語原文入力:2023-11-09 02:04
訳C.M

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