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サムスン電子、「2027年に1.4ナノ半導体プロセス導入へ」

登録:2022-10-04 20:21 修正:2022-10-05 08:12
TSMC・インテルなどと最先端半導体プロセス競争
サムスン電子ファウンドリ事業部のチェ・シヨン事業部長(社長)が3日(現地時間)、米国シリコンバレーで開かれた「サムスン ファウンドリフォーラム2022」で半導体プロセス計画などを発表している=サムスン電子提供//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子が今年、世界で初めて3ナノプロセスの開発および量産を開始したのに続き、2027年には1.4ナノプロセスを導入すると明らかにした。スマートフォンに続き、人工知能(AI)や自動運転などの大衆化で先端半導体の需要が増え、ますます拡大するファウンドリ(半導体委託生産)市場で台湾のTSMCなどとの激しい競争が予想される。

 サムスン電子は3日(現地時間)、米カリフォルニア州のシリコンバレーで「サムスン ファウンドリフォーラム2022」を開き、ファウンドリ事業のロードマップと新技術を公開した。3年ぶりにオフラインで開かれたこの日の行事で、サムスン電子ファウンドリ事業部のチェ・シヨン事業部長(社長)は「ゲートオールアラウンド(GAA・Gate All Around)基盤のプロセス技術革新を持続し、2025年には2ナノ、2027年には1.4ナノプロセスを導入する計画」と明らかにした。

 サムスン電子が2ナノプロセスの計画を明らかにしたことはあるが、1.4ナノテクノロジーの適用計画を明らかにしたのは今回が初めて。これに先立ってサムスン電子は6月、世界で初めてGAAプロセスの量産を始めた経緯がある。サムスン電子はこれまでのFinFET方式のプロセスから脱し、新しい方式を開発し量産に適用し、これをさらに発展させる計画だ。

 市場調査機関オムディアによると、ファウンドリ市場は今年の1105億ドルから2025年には1592億ドルまで約50%増える見通しだ。第2四半期基準でサムスン電子はこの市場の13%(売上高基準)を占め、1位のTSMC(56%)とは大きな差がある。サムスン電子のシェアは一時19%(2019年第1四半期)まで上がり20%を目指したが、今は低下しTSMCとの差がさらに広がった。TSMCは、スマートフォン、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などに使われる先端半導体を設計するアップル、クアルコム、NVIDIA、AMDなどを顧客として確保している。

 ファウンドリ企業はプロセス開発の進行状況でも先を争っている。TSMCは今年下半期に3ナノプロセス半導体の量産に突入する予定であり、2025年には2ナノプロセス方式を開発し量産を始める計画だ。3ナノまではFinFET方式を維持するが、2ナノ以後はサムスン電子と同じくGAA方式を導入するという。昨年ファウンドリ事業に再進出したインテルは、2024年から2ナノプロセスで量産すると明らかにしている。

 韓国産業研究院のキム・ヤンパン研究委員は「ファウンドリ市場はTSMCが掌握している状況だ。サムスン電子が発表した通り、工程を開発し信頼度を積み、顧客を十分に確保する必要がある」と話した。

 サムスン電子は、顧客確保のため2027年までに先端プロセスの生産能力を今年の3倍以上に拡大すると明らかにした。また「シェルファースト(ShellFirst)」ラインの運用で市場の需要に迅速かつ弾力的に対応する計画だ。半導体を生産するクリーンルームを先に建設し、安定的な生産能力を確保し、顧客の需要に積極的に対応するということだ。サムスン電子は米国テイラー市でのファウンドリ1ラインに続いて投資する2ラインをシェルファーストに従って進め、今後は韓国内外のラインにも拡大する計画だ。

 業界ではこれまで、サムスン電子の半導体競争力が過去より低下したという指摘が多かった。メモリー半導体のDRAMでは最先端製品「HBM3」の世界初の座をSKハイニックスに明け渡した。SKハイニックスはこれを昨年開発したのに続き、今年6月からは量産を始めインテルなどに供給している。非メモリー半導体の一つであるアプリケーションプロセッサ(AP)でも押されている。サムスン電子は来年初めに披露する「ギャラクシーS23」に自社製の「エクシノス」ではなくクアルコムの製品だけを使うことにした。

 匿名を要請したある証券会社のアナリストは「米中対立などの対外変数と共に、サムスン電子がメモリー半導体市場で持っていた超格差競争力が減り、ファウンドリ市場ではさらに押されている。サムスン電子の半導体事業の競争力に疑問が提起されている」と話した。これに対してサムスン電子の関係者は「技術力が落ちたのではなく市場の状況に柔軟に対応している」と説明した。

 一方、サムスン電子は同日の米国(シリコンバレー)を皮切りに、7日には欧州(ドイツ・ミュンヘン)、18日には日本(東京)、20日には韓国(ソウル)でも「サムスン ファウンドリフォーラム」を開く計画だ。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1061319.html韓国語原文入力:2022-10-041 7:36
訳J.S

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