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韓国・台湾の対中貿易収支の明暗、半導体で分かれた

登録:2022-09-28 09:55 修正:2022-09-28 19:14
韓国、5月から連続赤字 
台湾、黒字基調維持…非メモリー半導体の輸出好調 
米国の中国制裁、反射利益が台湾に 
1~8月の対中黒字、韓国32億、台湾240億ドル
世界最大の半導体委託生産メーカーのTSMCの台湾本社前のロゴ=新竹/EPA・聯合ニュース

 中国と台湾間の関係悪化にもかかわらず、台湾の対中国貿易黒字の基調はそのまま維持されている。韓国の対中国貿易収支が5月から連続で赤字を記録しているのとは対照的な流れだ。明暗を分けたのは半導体だったとの分析が出た。

 韓国貿易協会の国際貿易通商研究院が28日に出した報告書「韓国と台湾の対中貿易構造分析」によれば、8月基準で台湾の対中貿易収支は34億5千万ドルの黒字を記録した。5月は18億4千万ドル、6月は16億ドルと規模は減ったものの継続して黒字であり、7月(30億8千万ドル)からは黒字規模も拡大した。一方、韓国の対中貿易収支は5月は-10億9千万ドル、6月は-12億2千万ドル、7月は-5億9千万ドル、8月は-3億7千万ドルだった。

 貿易協会は台湾の対中貿易黒字の要因として半導体を挙げた。最悪に突き進んでいる台中関係にもかかわらず、台湾の対中交易は比較的安定して維持されており、特に半導体が中国向け輸出および貿易収支黒字で占める割合が急上昇しているとの分析だ。今年1~8月、台湾の中国向け半導体輸出は430億ドルで、全体輸出の51.8%を占めた。昨年の年間45.6%(半導体輸出574億ドル/全体輸出1259億ドル)よりさらに高まった。1~8月の半導体分野で収めた貿易黒字は223億ドルで、全体貿易黒字の92.7%を占めた。昨年、この割合は69.8%(303億ドル/434億ドル)だった。

 これとは異なり、韓国の中国向け半導体輸出は7月の14.8%増加(昨年同月比)から8月は3.6%の減少に転じた。中国の半導体装備の国産化率が昨年の21%から今年上半期は32%に上昇し、中国に進出した韓国企業の現地生産拡大で半導体や装備の輸出が減少したためだった。1~8月累計で韓国の対中貿易収支は依然として黒字を記録中ではあるが32億ドル水準で、昨年同期(158億ドル)に比べて79.8%減少した。同期間、台湾の対中貿易黒字は240億ドルだった。

 国際貿易通商研究院のキム・ギョンフン研究委員は「台湾がファブレス(設計専門)-ファウンドリ(委託生産)-後工程と連なる半導体生産の全段階にわたって競争力のある構造を構築しているだけでなく、米国の対中輸出統制によって中国の半導体の需要が台湾に集中し、反射利益を享受しているため」と解説した。台湾政府が「リショアリング(国内復帰)支援政策を通じて中国に進出した台湾企業やグローバル企業の投資を誘致する一方、主要な戦略産業や大手企業の育成に積極的に乗り出している点も背景に挙げた。

 世界10大ファウンドリ企業のうち4社が台湾にある。世界1位のTSMCをはじめとする台湾のファウンドリ4社の世界市場シェアは今年の第1四半期基準で64.0%を占めた。ファウンドリ分野の競争力を基に、台湾は中国向け半導体輸出で2019年から韓国を追い抜いた。今年1~7月、中国の半導体輸入市場で台湾のシェアは35.0%で、米国の対中国制裁開始の時の2018年(28.9%)よりむしろ高まった。同期間、韓国のシェアは24.4%から19.6%に落ちた。メモリー分野の絶対強者である韓国の立場としては、非メモリー半導体と後工程の分野の競争力を育て、市場対応力を高めなければならない課題を抱えている。

キム・ヨンベ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/global/1060425.html韓国語原文入力:2022-09-28 09:14
訳C.M

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