韓国で輸入が輸出より速いスピードで増える流れが6月も続き、3カ月連続で貿易収支の赤字を記録した。上半期全体では過去最大規模の103億ドルの赤字となった。
産業通商資源部が1日に発表した上半期の輸出入統計をみると、輸出は昨年同期に比べて5.6%増の3503億ドル、輸入は26.2%増の3606億ドルだった。これにより、貿易収支は上半期基準で過去最大規模の103億ドルの赤字となった。これまで上半期の過去最大の赤字は通貨危機当時の1997年の91億6千万ドルだった。半期基準では、1996年の下半期の125億5千万ドルの赤字が最高記録だ。
6月だけ見ると、輸出は5.4%増の577億3千万ドル、輸入は19.4%増の602億ドルだった。貿易収支は24億7千万ドルの赤字で、4月から3カ月連続で赤字を記録した。3カ月連続の貿易収支赤字の記録は、世界金融危機の2008年(6~9月)以来14年ぶり。
貿易協会のチョ・サンヒョン国際貿易通商研究院長は「ロシアとウクライナの戦争をはじめとする対外要因が否定的な方向に流れ、対外依存度の高い韓国貿易が上半期全体的に大きな影響を受けた」とし、「エネルギーと穀物価格の上昇傾向が続き、(上半期の)貿易赤字が100億ドルを超え、懸念される状況」だと語った。
その中でも肯定的なシグナルと言えば、上半期全体で輸出増加率が2桁を維持した点だ。貿易の構造的な問題が露呈したわけではないとみられるのもそのためだ。輸出は今年1月から6月までいずれも該当月の過去1位を占めた。このうち3月と5月はそれぞれ月間基準で1位と2位を記録した。これを受け、輸出は昨年下半期(3412億ドル)の記録を上回り、半期基準で最高業績を更新した。品目別では造船を除いた主要14品目で輸出額が増加した。半導体、鉄鋼、石油製品、バイオ、二次電池はこれまで上半期1位の実績を見せた。地域別では独立国家共同体(CIS)を除いた主要8大地域でいずれも増加した。
上半期の輸入はエネルギーと原材料価格の急騰で輸出より多い3606億ドルを記録した。原油やガスなどエネルギー輸入額は昨年上半期より410億ドルほど増えた879億ドルで、貿易赤字の主な要因となった。
下半期の輸出見通しも明るくない。全国経済人連合会が輸出主力業種150社を対象に下半期輸出見通しをアンケート調査した結果によると、昨年下半期に比べて平均0.5%増に止まると予想された。
これに伴い、今年は年間でも貿易赤字を記録するものとみられる。国際貿易通商研究院は先月発表した「輸出入展望報告書」で、今年の輸出は昨年より9.2%増の7039億ドル、輸入は16.8%増の7185億ドルを記録すると予想した。こうなれば貿易収支は147億ドルの赤字になる。年間貿易収支の赤字は、世界金融危機時の2008年(133億ドルの赤字)以来、14年ぶりとなる。チョ・サンヒョン院長は「物価や為替レート、金利が揺れ、外部要因にあまりにも大きな影響を受けるため、下半期を予測するのが難しく、これといった対応手段もないとみられる」と懸念を示した。
イ・チャンヤン産業部長官は「世界的な成長鈍化やサプライチェーンにおける不安定性の深化など、貿易全般に不確実性が大きくなる厳しい状況」だとしたうえで、「7月中に『官民合同輸出状況点検会議』を開催し、金融、物流、マーケティングの支援と規制改革を通じて官民協力型輸出の拡大を後押しする」と述べた。