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1300ウォン台のドル高、韓国輸出企業に好材料?…「円安、為替ヘッジ考慮すべき」

登録:2022-07-19 03:19 修正:2022-07-19 08:29
/聯合ニュース

 現代自動車の第2四半期の営業利益についての市場の展望値は、この1カ月間で6.7%上方修正された。弱含みから大幅に下落した目標株価も小幅に反発した。その背景には異例のウォン安ドル高現象がある。大信証券のキム・グィヨン研究員は11日に発表された報告書で、「ウォン安による3153億ウォン(約331億円)の増益効果を予想する」とし、現代自動車の目標株価を21万ウォン(約2万2000円)から24万ウォン(約2万5200円)に引き上げた。

 第2四半期の実績シーズンを控え、為替効果が投資家の関心事になっている。特に下半期には景気停滞局面でも伝統的な「ウォン安恩恵株」は善戦するのではないかとの期待もされている。ただし「円安」現象や各企業の為替ヘッジ比率などはこれを制限する変数として作用するとみられる。

 18日に発表された韓国銀行の統計によると、今年第2四半期のウォン-ドルレートの平均(終値)は1261.12ウォンで、昨年同期(1121.13ウォン)に比べ12.5%の上昇。上昇幅は今年に入って拡大し続けている。今年第1四半期の平均レートは、昨年第1四半期より8.1%上昇の1205.29ウォンだった。

 ウォン安ドル高の効果は、すでに第1四半期の業績でも浮き彫りになっている。半導体、自動車、ディスプレイなどの輸出に注力する製造業は通常、ドル高の恩恵を受ける業種だ。実際にサムスン電子は、前四半期と比較すると、今年第1四半期の営業利益に寄与した為替効果は3000億ウォン(約315億円)に達すると明らかにしている。現代自動車も、昨年同期と比べた営業利益の増減を理由別に分析し、5510億ウォン(約578億円)の増加分が為替レート上昇に起因するとしている。第2四半期以降のこれらの企業に対する期待値が高まっている理由はここにある。

 変数は、日本円を含めた他国の通貨も弱含みなことだ。日本のように韓国との輸出競合度の高い国の通貨価値が下がれば、韓国企業は価格競争で不利になりうる。主な生産基地がある新興国の通貨の流れも影響を及ぼす。それらの生産基地から輸入する原材料や部品の価格も共に動くなどの効果があるからだ。

 自動車産業は、特にユーロや円などの他の通貨の影響を強く受ける代表的な業種だ。これこそ、これらのレートに関心が集まる理由だ。円相場は昨年第4四半期の1ドル=113.8円から今年第1四半期には116.4円にまで円安が進み、第2四半期には129.7円にまで落ち込んでいる。ウォンに対する円の価値も下落しつつある。

 ただし円安の否定的効果が可視化するのは、車両用半導体の供給難が落ち着いてからになる見通しだ。KB証券のカン・ソンジン研究員は「半導体不足のため供給者優位の市場が形成されていることで、完成車企業同士では価格競争がまともに起きていない」とし「まだ『円安』の影響は限定的」だと述べた。

 一部の業種では、高い為替ヘッジ比率も「ウォン安ドル高」効果を制限する要因となっている。造船企業が代表的な例だ。為替ヘッジ比率は現代重工業と大宇造船海洋が70%、サムスン重工業が100%であることが知られる。これらの造船会社は、一定水準のレートで外貨を売ることを約束するフォワード契約などによって、為替の変動に伴うリスクを避けている。今年第1四半期末現在で現代重工業が結んでいるドル売りフォワード契約の平均フォワードレートは1161.21ウォン。

5万ウォン紙幣=資料写真//ハンギョレ新聞社
イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/stock/1051433.html韓国語原文入力:2022-07-18 18:37
訳D.K

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