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13年ぶりの最安値、1ドル=1316ウォン…韓国経済に悪材料が山積み

登録:2022-07-13 06:38 修正:2022-07-13 07:56
12日、1ドル=1312.1ウォンで取引を終え…年中安値を更新 
取引中1316.4ウォンまで値下がり 
米国や欧州、韓国の各種指標、世界的なドル高示す
今月12日、ウォン相場が取引中1316ウォン台を超え、13年2カ月ぶりの最安値を記録した。写真は同日午後、ソウル中区ハナ銀行本店のディーリングルーム/聯合ニュース

 ウォン相場が取引中1ドル=1316ウォン(約137円)までウォン安ドル高が進み、13年2カ月ぶりの最安値を記録した。米国の雇用好調とインフレ加速化の見通し、ユーロ圏の景気低迷などがドルの価値をさらに引き上げた。国内では今月末、韓米の政策金利逆転の可能性や、外国人投資資金の流出、社債市場の梗塞のニュースなどが外国為替市場に一気に押し寄せた。グローバル金融危機の時の1300ウォン台の為替レートが固定化する可能性まで高まっている。

 12日、ソウル外国為替市場でドルに対するウォン相場は、取引中1316.4ウォンまで下がった。金融危機当時の2009年4月30日に記録した取引中最安値(1325.0ウォン)以来の安値だ。終値は前日より8.2ウォン下がった1312.1ウォンで取引を終えた。「最後の安全資産」であるドル価値のグローバル急騰傾向がウォン安を牽引した。米国や欧州、韓国など世界の中央銀行がすばやく進めた大幅な金融引き締めと景気低迷の懸念が、ドル高の背景として作用している。

 同日、ユーロや円など主要6通貨に対するドルの価値を示す指数(ドルインデックス)は、一時108.5まで上がった。ユーロはドル相場と1対1で交換されるパリティ(等価)水準に急落した。 同日、ユーロ相場は1ユーロ=1.0006ドルまで下落し、2002年12月以降最安値を記録したと、ロイター通信が報じた。韓国時間で13日夜に発表される米国の6月の消費者物価は8.8%(前年同期比)上昇し、前月(8.6%)よりさらに熱くなるものと現地では予想している。一部では米国の6月の雇用指標の好調と相まって、米連邦準備制度理事会(FRB)が27日の通貨政策会議でジャイアントステップ(0.75ポイント利上げ)を越え、メガステップ(1.0ポイント利上げ)まで検討しうるという見通しもある。

 同日の大幅なウォン安ドル高には、国内経済のファンダメンタル要因も一部働いたものとみられる。6月中に外国人投資家の国内証券(株式+債券)投資資金が7億8千万ドルの純流出に転じ、国内の社債発行市場の委縮を受け、大企業さえ銀行融資に乗り出しているというニュースが流れた。韓国経済が収縮期に入るという懸念を発信するシグナルだ。

 今月末の韓米の基準金利の逆転予告も為替レートの急騰を説明する要因の一つだ。現在、韓国(1.75%)と米国(目標範囲1.50~1.75%)の基準金利の差は0.00~0.25%ポイントで、13日に金融通貨委員会が0.25%ポイントだけ引き上げた場合、FRBが27日に「ビッグステップ」(0.50%ポイント引き上げ)を踏んでも米国が0.00~0.25ポイントさらに高くなる「逆転」を避けられない。金利逆転は、国内の外国人投資資金の米国への流出や、国内外の金利差を利用した為替差益取引勢力などを考慮すると、さらなるウォン安が予想される。

 LG経営研究院のチョ・ヨンム研究委員は「現在、ウォン-ドル為替レートには基準金利0.5%ポイント引き上げの見通しがすでに反映されているようだが、実際の引き上げ幅が0.25%ポイントに留まれば、ウォン安がさらに進む可能性がある」と予想した。今やウォン相場はグローバル金融危機当時、1ドル=1300ウォン~1500ウォン台が続いた7カ月(2008年10月7日~2009年4月29日)の記憶を呼び起こしている。当時のレートは1570.30ウォン(2009年3月2日終値、取引中の高値1596.00ウォン)に達した。

チョ・ゲワン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1050668.html韓国語原文入力:2022-07-1222:03
訳H.J

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