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"イ・ビョンチョルの三星経営, 韓国式成功モデルだが…"

原文入力:2010-02-10午後09:48:17(2404字)
湖巌 生誕100周年シンポジウム
"新儒教主義に先進国方式 総合しシナジー"
"政経癒着など解決してこそ成長持続" 指摘も

キム・フェスン記者

全国経済人連合会と三星経済研究所が10日午前ソウル,中区,獎忠洞の新羅ホテルで開いたイ・ビョンチョル会長100周年記念学術フォーラムで、参席者たちが韓国経営学会ナム・サング会長の演説を聞いている。 連合ニュース

国内最大の企業集団 三星 を作った故イ・ビョンチョル会長の生誕100周年(12日)迎え、彼が追求した企業モデルと経営哲学を評価するシンポジウムが10日開かれた。イ会長は韓国経済の発展過程と歴史的軌を一にして、圧縮的高度成長の成果と矛盾が同時に投影された企業家としての生活を送った。‘企業人イ・ビョンチョル’が韓国社会に残した足跡と遺産とは何か?

■企業史的評価
専門家たちはイ・ビョンチョル会長の創業と成長過程は 「韓国資本主義と企業の発展段階を表す表象」と評価する。日帝末以後、我が国産業構造の変化時点と三星グループの成長変曲点が概して一致するためだ。チャン・ジンホ延世大教授はこの日ソウル,獎忠洞の新羅ホテルで全国経済人連合会と三星経済研究所主催で開かれたシンポジウムで 「三星は初期資本蓄積過程で我が国経済の発展水準と自らの力量を徹底的に考慮し事業を展開して成功率を高めた」として 「‘合理追求’というイ会長の経営哲学がその土台にある」と評価した。三星は当初貿易業から出発し、1950年代に製糖・毛織など消費財事業で資本を蓄積し、その基盤の上に金融業と重化学・電子部門などに事業領域を拡大した。これはすなわち国内資本蓄積過程が地主(農業)資本から商業資本,続いて産業資本へと発展していく過程と軌を一にするというのが専門家たちの評価だ。

キム・ギウォン放送大教授は 「三星は‘追撃成長モデル’をうまく活用し多角化と成長を同時に成し遂げた」と評した。彼は 「三星は国内事業から出発し、内部資本を十分に積み圧縮的高度成長期に政府の商業借款など有利な経営環境もまた適正な時期に活用した」とし「創業初期から建設・造船・自動車など輸出製造業で基盤を磨き上げたチョン・ジュヨン現代グループ前会長と肩を並べる内容」と話した。実際、三星グループの売上比率は1956年製糖・毛織など製造部門が大部分だったが、1966年には製造(50%)-金融(33%)-貿易(10%)等に多角化され、1986年には電子(16%)とサービス業(9%)比重が大きく伸びた。ランリ パク パルージョ ソルボンヌ大学極東研究センター研究員は 「企業史的に見れば、イ・ビョンチョル会長時は市場環境を学習する期間(修習)を経て、事業多角化で市場を広げた(拡張)の2つの時期に分けることができる」と分析した。

韓国式企業集団(財閥)の功罪を発表したタルン カンナ ハーバード大経営大学院教授は 「韓国の企業集団は景気と関係なく新たな創業を促進する主な役割を果たすことにより国家経済を助けた」とし「市場支配力の不正乱用と支配構造問題などを黙認する訳には行かないが、全世界新興市場の資本蓄積時期にはこういう現象が共通に現れる」と主張した。経済発展初期には規模の経済が可能な大規模企業集団が産業と国家の競争力を引き上げるのに効率的だとの論理だ。これに対しキム・ジンバン仁荷大教授は 「韓国経済は財閥一辺倒の資本蓄積と資源配分で国家と資本が同時に圧縮成長を遂げた」とし「問題は国の経済規模が世界10位圏に達した今も主要企業集団はもちろん政府までがこういう過去成長モデルに執着しており不均衡成長の副作用を悪化させていること」と指摘した。

■企業モデルと経営哲学
イ・ビョンチョル会長が追求した三星の企業モデルは世界的に類例を探すのが難しい独特の構造だ。ランリ パク ソルボンヌ大研究員はこれを「アジア的価値である新儒教主義に先進国の経営方式を総合した独創的な経営モデル」と評価した。彼の分析では、韓国の新儒教主義と日本式経営システム,そしてドイツ式生産方式と米国の管理方式を総合したのが‘三星システム’だ。ここに先進国の技術障壁を越えるための人材投資,実用と成果中心の組織管理などがシナジー効果を出した“韓国式成功モデル”というものだ。ソン・ジェヨン ソウル大教授(経営学)も「日本とアメリカ式経営方式を組み合わせ成果を出した事例」と三星を評価した。イ・ビョンチョル会長が構築した独特の企業モデルが三星にとって「企業規模は大きいが速度があり、多角化と専門化の特性を全て保有し、所有経営と専門経営の長所をあまねく備えるようにした」と彼は説明した。

‘管理の三星’と呼ばれる組織体系と人材中心の経営もまたイ会長が残した遺産と評価される。チャン・ジンホ教授は「イ会長は国内企業としては初めて公開競争採用制と事業部制を導入し、グループのコントロールタワーである秘書室体制を導入した」として「巨大な組織を運営するための競争力あるシステムを備えた」と評した。キム・ギウォン教授は「三星が外国為替危機などを体験し、グローバル企業に成長したのは組織管理とシステムが異なる財閥たちより相対的に成熟しているという傍証」としつつ「政経癒着と皇帝経営,無労組経営などグローバルスタンダードに合わない否定的要因をどのように解決するかが企業としての持続的成長を占う分岐点になるだろう」と話した。

キム・フェスン記者 honesty@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/404127.html 訳J.S