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サムスン電子、実績は良いのに株価は下落…なぜ?560万株主の悩み

登録:2022-04-18 20:46 修正:2022-04-19 08:19
景気鈍化の憂慮の中、前方産業の需要が減る見通し 
マイクロン・TSMCなど世界の半導体株が一斉に下落
サムスン電子は、最近発売した2022年型サウンドバー製品がグローバル専門メディアから相次いで好評を得たと18日明らかにした。写真はサムスン電子のサウンドバーを紹介するモデル/聯合ニュース

 「9万電子(サムスン電子の株価9万ウォン台)の時から耐えてきたけれど、底が見えませんね」「まだサムスン電子なんですか?テスラに乗り換えましょう」

 サムスン電子が第1四半期(1~3月)に期待以上の実績を出したにもかかわらず、株価は劣勢の局面が長引き、560万の株主(2021年末基準)の悩みが深まっている。18日、韓国総合株価指数(KOSPI)市場でサムスン電子の株価は100ウォン上がった6万6700ウォン(約6700円)で取引を終えたが、取引中には6万6100ウォンまで下落し、52週にわたり新安値を再び更新した。外国人投資家の売り越しは17取引日連続で続いた。個人投資家は今年に入りサムスン電子の株式を9兆2千億ウォン(約9300億円)以上買い越し、外国人投資家と機関の売りを引き取った。だが、サムスン電子の株価は昨年末に比べ15%近く下がり、KOSPI平均(-9.5%)よりはるかに下落幅が大きかった。

資料:ブルームバーグ//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子の株価だけが振るわないのではない。フィラデルフィア半導体指数が今年に入って23.3%下がったことから分かるように、世界のほとんどの主要半導体企業の株価は二桁の下落率を見せた。半導体業界の時価総額1位のNVIDIAの株価は今年になって27.7%急落した。米国のマイクロンテクノロジーとファウンドリの最強者である台湾のTSMCも、最近予想を上回る第1四半期実績を発表しながらも株価が下落した。

 景気鈍化の憂慮の中で、前方産業である半導体需要の見通しが否定的に変わっているためだ。特にパソコンとスマートフォンの需要減少により、半導体の売上が減るという懸念が大きい。市場調査機関ガートナーは、遠隔教育の需要が減り、第1四半期のパソコン出荷量が前年同期比で7.3%減少したと明らかにした。投資銀行のシティーも、パソコン需要の減少で半導体市場が急速に鈍化すると見通した。中国の封鎖措置により、スマートフォンや機械部品など半導体需要を牽引してきた主な情報技術(IT)の部品の生産も支障をきたしている。世界の半導体需要で中国が占める割合は58%に達する。ウクライナ戦争の長期化も需給の不確実性を拡大している。DRAMの現物価格は最近7週連続で下落した。

 一方、半導体のサイクルがかつてのように急激に萎縮することはないとみる見方もある。米国の投資専門紙「バロンズ」は「自動車関連の半導体事業の比重が大幅に高まり、NANDメモリー需要が拡大するだろう」と分析した。KB証券のキム・ドンウォン研究員も「現在DRAMとNANDの在庫が最近3年間の過去最低値まで減り、メモリー業界の状況変動性は縮小するだろう」と見通した。

 韓国国内の証券会社は、サムスン電子の目標株価を相次いで下方設定しながらも、現在の株価水準からは反騰が可能だとみている。ユジン投資証券のイ・スンウ研究員は「第2四半期のNAND価格上昇などの変数を考慮すれば、株価は上昇する可能性の方が高い」と予想した。メリッツ証券のキム・ソンウ 研究員は「サムスン電子の営業利益が第3四半期から本格的に回復すると予想され、株価は第2四半期末から反騰するだろう」と見通した。

ハン・クァンドク先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1039404.html韓国語原文入力:2022-04-18 18:18
訳J.S

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