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ウクライナ事態に韓国の半導体業界緊張…「稀ガス輸入への影響は制限的」

登録:2022-02-22 20:06 修正:2022-02-23 07:01
半導体生産ラインの様子=資料写真//ハンギョレ新聞社

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の「出兵決定」で、ウクライナ事態が重大な新局面に入り込み、これらの国から原材料の相当部分を輸入している韓国の半導体業界が緊張している。

 22日、韓国貿易協会の資料によれば、2021年基準で韓国とウクライナ間の交易規模は年間9億ドル(交易対象国68位)水準にとどまる。だが、韓国は半導体工程の必須原材料であるネオン、クリプトン、キセノンなどのガスをウクライナとロシアから最大50%ほど輸入している。そのためウクライナ事態が戦争状況に拡大した場合、サムスン電子やSKハイニックスなど韓国国内の関連企業の生産に支障が発生する可能性があるとの憂慮が出ている。

 昨年、ネオンについてはウクライナとロシアからそれぞれ23.0%、5.3%を輸入した。シリコンウェハーに回路を刻む露光工程で使われるエキシマレーザーガスの原材料の一つで、空気中に0.00182%含まれる稀ガスだ。先月、ポスコが韓国で初めて光陽(クァンヤン)製鉄所の酸素工場にネオン生産設備を竣工し、製品出荷を始めたため、今年下半期までに韓国国内需要の16%程度を充足できると予想されるが、まだ生産初期段階でウクライナからの輸入支障分に代わるのは難しい。

 半導体のエッチング工程(回路パターンを除く残りの部分を蝕刻すること)に活用されるクリプトンは、昨年全輸入量の30.7%をウクライナから入れており、輸入国の中で最も高い比重を占めた。ロシア(17.5%)まで含めれば、韓国の半導体業界が両国から輸入するクリプトンの比重は約50%に達するわけだ。この他、キセノンガスも昨年ウクライナから17.8%、ロシアから9.2%を輸入したと調査された。

 半導体業界は2019年の日本の半導体素材輸出規制を契機に、これまでサプライチェーン多角化のために努力してきただけに、直ちに予想されるウクライナ事態による影響は制限的と説明する。SKハイニックスのイ・ソクヒ社長は16日、産業通商資源部の主催で開かれた「半導体投資活性化懇談会」で記者団に対し「(在庫を)たくさん確保しておいた。それなりに準備しておいたものがあるのでさほど心配しなくても良さそうだ」と明らかにした。

 だが、市場では安心するのはまだ早いとの雰囲気も感じられる。NH投資証券のト・ヒョンウ研究員は21日に発表した報告書で「2014~2015年のウクライナ戦争時に、半導体生産用のネオンガスの価格が立方メートル当たり3500ドルになり10倍以上上昇した経験がある」として、ウクライナとロシア間の紛争が半導体素材の供給に影響を与えると見通した。

 一方、ウクライナ危機の高まりで、この日午後12時基準でサムスン電子の株価は前日終値(7万4200ウォン)に比べ1.75%下落した7万2900ウォン、SKハイニックスは前日の終値(13万ウォン)より2.31%安い12万7000ウォンで取り引きされている。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1032067.html韓国語原文入力:2022-02-22 15:18
訳J.S

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