ウクライナに侵攻したロシアで、中国企業のスマートフォンの売り上げが倍増している。
ロシア紙「コメルサント」の20日の報道によると、ロシアでは、先月28日から今月13日にかけての華為(ファーウェイ)、OPPO、Vivoなどの中国企業のスマートフォンの販売台数が、その前の2週間から倍増した。ファーウェイの機器の販売増加率が300%で最も高く、OPPOとVivoは200%、中興通訊(ZTE)は100%、リアルミーは80%増加した。
これは、ロシア市場におけるシェアが30%でトップのサムスン電子と15%のアップルが、スマートフォンの供給を中止したためだ。アップルは今月初め、ロシアに商品を販売しないとして公式に「ボイコット」を宣言しており、サムスン電子は公式のボイコットではないものの、ロシアへの輸出を暫定的に中止すると発表している。ロシアのスマートフォン市場の半分近くを占めているサムスンやアップルが供給を中止したことで、両社の製品価格が値上がりし、中国製品が反射利益を享受したと見られる。
米国や欧州諸国によるロシアへの経済制裁に同調し、アップルやマクドナルド、テスラ、インテルなどの300社あまりのグローバル企業がロシアに対するボイコットを宣言している。サムスン、LG、現代・起亜車などの韓国企業は、まだ公式のボイコットは宣言していない。
ロシアへの制裁をめぐり、米国と中国は熾烈な神経戦を繰り広げている。米国は、強力な対ロ経済制裁が実施されている中、ロシアの最大の輸出相手である中国が緩衝役を果たす可能性を警戒している。いっぽう中国は、「ロシアとの関係は最も重要な戦略資産だ」とし、米国が主導する制裁には同調しない考えを明らかにしている。
米国のジョー・バイデン大統領と中国の習近平国家主席との18日の首脳テレビ会談後、ホワイトハウスは「バイデン大統領は、ウクライナの都市と民間人に対する残酷な攻撃を行うロシアを、中国が物質的に支援した場合の結果と代価について説明した」と語った。ロシアに対する中国の支援に反対する考えを直に伝えたわけだ。いっぽう中国外務省は、同日に習主席が「全面的で無差別的な制裁は人民を苦しめるだけ」と述べたと語った。