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韓国のコンビニが独立運動記念日の三一節に向け「愛国マーケティング」に集中する理由

登録:2022-02-26 01:37 修正:2022-02-26 10:01
CUとGS25が独立宣言書、愛国志士キャンペーン 
不買運動で打撃、国内企業としてのイメージ定着の観点から 
コロナや大統領選が重なり祝日マーケティング「低調」
コンビニエンスストアのCUが三一節にあたってSNSで「読み直す独立宣言書」キャンペーンを実施している=BGFリテール提供//ハンギョレ新聞社

 3月1日の三一節(日帝に抵抗した独立万歳運動記念日)を前に、コンビニエンスストアを中心とする流通消費財各社が「愛国マーケティング」を続々と実施している。三一節や光復節(8月15日)のような国の記念日を用いたマーケティングは企業の信頼度を高め、ブランドイメージが見直される機会とされる。ただ、新型コロナウイルスのオミクロン株の大流行や大統領選挙運動などが重なったため、例年とは異なり三一節マーケティングはやや低調なようだ。

 愛国マーケティングに最も力を入れているのはコンビニ業界だ。CUは、三一節を迎えるにあたって、独立運動精神を称えるため消費者と共に「読み直す独立宣言書」SNSキャンペーンを実施すると25日に発表した。3・1運動100周年を記念して製作された「やさしく正しく読む3・1独立宣言書」から10の文を抜粋して作られたフィルターで写真や映像を撮り、「#読み直す独立宣言書」ハッシュタグとともにインスタグラムなどにアップするというものだ。

 CUは、来月5日までにキャンペーン参加者が310人を超えれば、独立有功者の子孫の居住環境改善事業のための基金として1000万ウォン(約95万8000円)を寄付する計画だ。この基金は、1919年に忠清南道洪城郡(ホンソングン)で独立運動を展開した故キム・サンオク愛国志士の子孫のために使われる。

 CUが愛国マーケティングに集中するのは、反日感情が高まった際に営業に大きな打撃を受けた痛い記憶があるからだ。CUの前身のファミリーマートは、1990年代に日本本社と商標権契約を結んで国内で営業を開始した。韓日が対立するたびに不買運動の対象となってきた。2012年に契約を解除してCUとして独立後、国内ブランドであるとのイメージを伝えるために積極的に用いてきたのが祝日マーケティングだ。CUは2012年前後から、8・15光復節にあわせた太極旗証明写真イベントや、毎年10月25日の「独島の日」を記念した「独島守護」商品を発売するなどの愛国マーケティングを続けてきた。

GS25が昨年10月の独島の日に合わせてファッションブランド「クリティック」と共同で発売した「独島ウインドブレーカー」//ハンギョレ新聞社

 GS25も負けじと、あまり知られていない独立運動家を紹介するキャンペーンを行う。2018年に始まった「独立運動家100人紹介」をはじめとする「女性独立運動家51人紹介」などの歴史キャンペーンの一環だ。シェア1位を争うCUをけん制しつつ、国内コンビニとしてのブランドイメージを広めるのが狙いとみられる。

 カフェフランチャイズ1位のスターバックスも、三一節を記念したタンブラーとマグカップを発売する。スターバックスは、主な祝日を記念する商品を販売した収益金の一部を、国内の文化遺産の保護や独立有功者の子孫に対する奨学金の基金としてきたが、今回の商品も国内の文化財支援の基金などとして用いる方針だ。米国のスターバックス本社とEマートの合弁会社として1999年に韓国に進出したスターバックスは、国内市場への定着、業界での地位固めのために様々な社会貢献活動を繰り広げてきた。

 各企業は、このような祝日マーケティングは収益を狙ったものというより、企業イメージアップのためのものという立場だ。匿名の食品会社の関係者は「祝日記念商品が大ヒットしたり、既存の商品より売り上げが高かったりしたケースはほとんどなかった。企業の社会的責任を果たすという観点からイベントを実施してきたが、最近は祝日の概念が非常に弱くなってきているため、マーケティングの必要性も徐々に低下している」と述べた。

 BGFリテール(CUの運営会社)の責任者ユ・チョルヒョン氏は「韓日対立が拡大した時や国際的な行事がある時は三一節、光復節関連のイベントが堰を切ったようにあふれるが、今年は大統領選挙が重なったため、やや静かな感じがする。国内企業としてのイメージの定着を狙うだけでなく、企業が祝日関連のイベントを行えば製品を利用する消費者がより関心を持ちうるとの考えから、イベントを続けている」と説明した。

オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/consumer/1032613.html韓国語原文入力:2022-02-25 17:24
訳D.K

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