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原油価格100ドル超え、KOSPI2700割れ…実態経済も霧の中=韓国

登録:2022-02-25 04:41 修正:2022-02-25 08:25
ウクライナ事態のショックで揺れる韓国金融市場 
欧州の主要指数も急落でスタート 
韓国政府「短期の原材料需給に支障はない」 
専門家「事態の長期化に備えるべき」
ロシアがウクライナに対する軍事作戦を開始した今月24日(現地時間)、ウクライナ第2の都市ハルキウ(ロシア名・ハリコフ)近くのチュグエフ軍空港で黒煙が上がっている/聯合ニュース

 ロシアのウクライナ侵攻のショックで、世界の証券市場が急落し、国際原油価格は100ドルを突破した。ウクライナ事態がインフレ圧力に油を注ぎ、対外依存度の高い韓国経済においても暗礁になりかねないという懸念の声もあがっている。韓国政府はウクライナ事態の長期化に神経を尖らせている。

ショックに陥った金融市場…原油価格100ドル突破

 24日、韓国総合株価指数(KOSPI)は2700ポイント台を割り込み、ウォン相場は1ドル当たり1200ウォン台を超えた。KOSPIは2.6%(70.73)急落した2648.8で取引を終えた。先月27日(2614.49)以来最も低い水準だ。外国人投資家が6811億ウォン(約648億4400万円)分の株式を売り越した。個人投資家は1兆1127億ウォン(約1059億3500万円)を買い越したが、下げ幅は時間が経つほど大きくなった。特に運輸・装備(-4.02%)、化学(-3.18%)、電気・電子(-3.18%)業種の下げ幅が大きかった。サムスン電子(-2.05%)など時価総額上位10位の銘柄がいずれも下落した。コスダック(KOSDAQ)指数は3.32%下落し、衝撃はさらに大きかった。ウォンの価値も急落した。ソウル外国為替市場でのドルに対するウォン相場は、8.8ウォン安ドル高の1202.4ウォンで取引を終えた。1200台を割り込んだのは今月7日以来13営業日ぶりだ。アジア証券市場も台湾が2.55%急落し、日本は1.81%下がるなど弱含みだった。午後5時40分現在、FTSE100(英国)、CAC40(フランス)、DAX30(ドイツ)など欧州の主要株式市場は取引開始直後、前日に比べ3~4%台の急落ぶりを見せている。ロシア証券市場(MOEX)は前日より半分近く暴落した状態で取引を開始した。

 国際原油価格は一気に100ドルの大台を突破した。ロイター通信によると、ブレント原油の先物価格は、ロシアの軍事作戦開始発表直後に3%高騰し、2014年以降8年ぶりに取引中1バレル当たり100ドルを突破した。米CNBC放送は「ブレント原油が108.93ドルまで急騰し、天然ガス価格は5%近く上昇した」と報道した。安全資産である金の価格も1%以上値上がりした。原材料市場が乱高下しているのは、供給への懸念が高まっているからだ。エネルギーや穀物などで先物が現物より安い現象(バックワーデーション)が続出していることが、これを端的に示している。戦争への恐怖が高まり、購入を希望する人が即座に物量を確保するため、現物にプレミアムを支払っているという意味だ。原油価格が120ドルまで高騰するだろうという見通しも出ている。米投資銀行のJPモルガンは「ウクライナ事態は石油とガスなど世界エネルギー安全保障と関連が深く、市場への波及力が大きい」と指摘した。

韓国政府「ひとまずエネルギー需給は大丈夫」…実体経済の見通しは霧の中

 実体経済の不確実性も高まっている。原材料価格の上昇による物価への圧迫が大きくなり、投資と消費まで萎縮する恐れがある。韓国開発研究院(KDI)のチョン・ギュチョル経済展望室長は本紙との電話インタビューで、「費用負担による物価上昇はもちろん、事態が長期化する場合、不確実性が大きくなるため企業の投資が萎縮するだろう」と予想した。対外経済政策研究院のチョン・ミンヒョン新北方経済室副研究委員は「化石燃料への依存度の高い製造業の打撃が大きい可能性もある」とし、「事態が長期化する場合、製造業のうち化石燃料と輸出の比重が大きい商品を中心に(政府の)補助金支援が必要になるだろう」と指摘した。

 韓国政府はひとまず、原材料の需給を優先している。企画財政部は同日「ウクライナ事態非常対応タスクフォース(TF)会議」を開き、国内のエネルギーや原材料、穀物などの短期的需給は安定的で、輸出に支障が生じるなどの異常兆候はないと発表した。企画財政部はまた「ロシアとウクライナへの依存が高い原材料は在庫拡大のために努力している」とし、「飼料用小麦は7カ月分、トウモロコシは6カ月分を確保し、短期の影響は限られるだろう」と付け加えた。

ハン・グァンドク、イ・ジョンフン、イ・ジヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1032487.html韓国語原文入力: 2022-02-25 02:33
訳H.J

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