新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への感染が韓国でも発生しうるとの懸念から、韓国総合株価指数(KOSPI)が今年の最低値を記録した。
30日、KOSPIは2.42%(70.31)の大幅な下落の2839.01で取引を終え、昨年12月29日(2820.51)以来の最低値を記録した。この日の下落幅は今年2月26日(-2.8%)以来の大幅なもの。米証券市場の持ち直しを追い風に上昇でスタートしたKOSPIは、オミクロン株が発生した欧州からの入国者が蔚山(ウルサン)で新型コロナウイルス感染症と確認されたとのニュースが午前10時ごろに報じられると下落に転じた。蔚山市によると、この日コロナ感染が確認された5人のうちの2人が、28日にオランダから、29日にドイツからそれぞれ入国していたことが確認された。午後に入り、日本でもオミクロン株への感染が確認されたというニュースが報じられ、投資心理は大幅に萎縮した。既存のワクチンはオミクロン株に効果的ではなく、新たなワクチンが必要だろうとの米製薬会社モデルナのステファン・バンセル最高経営経営者の発言も悪材料となった。
取引開始から買いを入れていた外国人投資家は売りに転じ、国内の機関投資家は6366億ウォン(約604億円)分の株を売り越した。この日のKOSPIの変動幅は120.2(4.13%)へと拡大し、投資心理の不安をあらわにした。医療精密を除いた全業種が下落した。コスダック(KOSDAQ)も2.69%(26.71)下落の965.63で引けた。韓国証券市場が急落に転じたことで、上昇を見せていたアジア証券市場も揺れた。日本証券市場(-1.63%)が下落へと反転し、香港証券市場は下げ幅を拡大させた。米証券市場の先物も下落を示している。
一方ウォンは、世界的にドル安に転じた影響で強気相場となった。ソウル外国為替市場で1ドルは前日より5.1ウォン安い1187.9ウォンで取引を終えた。