韓国のバイオ製薬会社セルトリオンのソ・ジョンジン会長が、北朝鮮に対する韓国政府の新型コロナウイルス治療薬支援方針に積極的に協力する考えを明らかにした。治療薬支援に向けた訪朝の意思も示した。また、現在開発中の新型コロナ抗体治療薬(CT-P59)は今年末、食品医薬品安全処に緊急使用承認を申請し、承認が出れば来年初めから市販できると明らかにした。
ソ・ジョンジン会長は20日、ハンギョレとのインタビューで「企業が国家政策(北朝鮮に対する治療薬とワクチン支援)に協力するのが道理」だとし、「韓国が来春『新型コロナ清浄国』になった後、国益に役立つなら、北朝鮮に対する治療薬支援に積極的に協力する」と述べた。国際社会の対北朝鮮制裁で新型コロナ治療薬の取引が現実的に難しいことから、人道主義に基づく無償支援を行う意向を示したのだ。これに先立ち、イ・イニョン統一部長官は18日、北朝鮮との対話の意志を示し、新型コロナ治療薬とワクチンを支援する意思を表明した。
ソ会長はまた、「北朝鮮への支援に向け、必要ならば訪朝する意向」も明らかにした。朝鮮半島をめぐる平和交渉が長期間膠着状態に陥った中、民間企業のセルトリオンによる北朝鮮への治療薬支援が実現すれば、南北関係と朝米対話の突破口を開くきっかけになるものとみられる。