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「グローバル化が労働所得分配率を引き下げ…韓国21年間に14%ポイント下落」

登録:2020-05-18 20:29 修正:2020-05-19 07:15
対外経済研「社会保障基金比率を 
1%ポイント引き上げれば1.3~3.3%ポイント改善」
2018年主要国の自営業者比率//ハンギョレ新聞社

 貿易や海外投資などを通して市場を開放するほど、国民所得全体に占める労働者に返る持分の比率を示す労働所得分配率が低下するという研究結果が出た。

 対外経済政策研究院(対外経済研)は18日、主要29カ国の資料を基に貿易・海外投資など商品市場の開放と労働所得分配率の関係を把握した「主要国の労働所得分配率決定要因比較分析」報告書を発表した。研究結果によれば、国内総生産に占める貿易依存度が1%ポイント上がれば労働所得分配率は最大0.13%ポイント下落することが明らかになった。一方、海外金融投資を示す国際投資は、労働所得分配率に特別な影響を与えなかった。貿易と国際投資の中間の性格を持つ海外直接投資は、1%ポイント増えると労働所得分配率が最大で0.07%ポイント下落した。一方、国内総生産に占める社会保障基金の比率が1%上昇すれば、労働所得分配率が1.2~3.3%ポイント高まるという結果が出た。

 対外経済研は、自営業者の所得を反映して労働所得分配率を算出する場合、市場開放にともなう労働所得分配率の下落がさらに大きく出てくると明らかにした。報告書によれば、自営業者の所得を反映しない韓国銀行の計算方式では、労働所得分配率が1996年の62.4%から2017年には62.9%に、0.5%ポイント上がったという結果が出た。だが、自営業者の所得を反映する場合、労働所得分配率は同じ期間に9~14%ポイント下落したことが明らかになった。

 特に、韓国は自営業者の比率が高く、労働所得分配率がグローバル化の影響をさらに大きく受ける。報告書によれば、経済協力機構(OECD)が主要37カ国を調査した結果、韓国は雇用全体に占める自営業者の比率が25.1%(2018年基準)であり、37カ国のうちで7番目に高い。37カ国の平均は18.2%だ。

 対外経済研は「世界化による労働所得分配率の低下は、所得分配政策やセーフティネットの拡充を通じて克服しなければならない」と明らかにした。具体的な政策代案としては、貿易自由化により被害を受けた自営業者と労働者を支援する貿易調整支援制度を改善しなければなければならないと指摘した。対外経済研は「韓国は米国や欧州連合とは違い、労働者を直接支援するより企業を支援し雇用を維持する間接支援方式を選んでいる」として、「貿易調整支援企業に指定された多くの企業が廃業する状況で、雇用安定のために労働者直接支援方式に注目する必要がある」と話した。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/945433.html韓国語原文入力:2020-05-18 17:51
訳J.S

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