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新型コロナ・パンデミック…セルトリオン会長「6カ月以内に治療抗体を人体へ投与」

登録:2020-03-13 02:01 修正:2020-03-13 07:32
「仁川・忠清北道などの地域に綿マスク100万枚無償供給」計画も
セルトリオンのソ・ジョンジン会長が12日、YouTubeを通じて記者会見を開き、新型コロナ治療薬と診断キットの開発計画、マスク100万枚無償支給計画を発表した=YouTube画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

 世界保健機関(WHO)が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック(世界的大流行)」を宣言した中、COVID-19治療薬を開発中のセルトリオンのソ・ジョンジン会長は「無理な開発過程を選んででも最短で治療用抗体と迅速診断キットを開発する」と表明した。まだワクチンや治療薬のないCOVID-19をめぐり、国内では15の企業と4つの政府機関が治療薬の開発に入っている状態だ。

 ソ・ジョンジン会長は12日午後、YouTubeのストリーミング方式で記者会見を開き「2月にソウル大学病院を通じて確保した完治患者の血液をもとに、3月中に抗体を探し出し、抗体がウイルスを無力化する中和作業を4月末までに終える計画だ。早ければ6カ月以内に臨床試験を始め、動物実験段階から人体に投与できるよう食品医薬品安全処と協議する」と明らかにした。通常、抗体の開発には、動物実験と第1~3相臨床試験のすべてを経ると早くても18カ月程度かかる。ソ会長は「臨床試験に参加する患者数を大幅に増やし、臨床試験段階でも患者が薬の支援を受けられるようにする。無理な開発プロセスを選択してでも、経済性を無視してでも進める」と述べた。

 ソ会長はこの日、専門医なしに患者が一人で使用でき、10~20分以内に結果が得られる診断キットを開発することも明らかにした。現在、COVID-19感染の診断に使われている「定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR)」検査は正確な結果が得られるが、結果が出るのに少なくとも数時間程度かかるという短所があり、業界で開発中の「迅速診断キット方式」は検査が早い反面、精度がやや落ちるという。セルトリオンは二つの方式の長所を合わせ、迅速診断キットの形式を備えつつ正確な結果が得られる製品を開発する計画だ。セルトリオンは診断キットと抗体開発に200億ウォン(約17億2000万円)をひとまず投じており、研究資源を24時間交代体制で稼動していると付け加えた。ソ会長は「セルトリオンの事業所がある仁川(インチョン)と忠清北道の住民50万人に、フィルター挿入が可能な綿マスク100万枚を無償で供給する」という計画も明らかにした。

 韓国製薬バイオ協会が9日に発表した資料によると、韓国国内では15の製薬、バイオ企業がCOVID-19ワクチンと治療薬の開発に着手したか、準備中だ。予防ワクチンはGC緑十字、SKバイオサイエンスなど、インフルエンザ・ワクチン開発の力量を持つ企業を中心に開発が行われている。治療薬はCOVID-19を治療できる物質の候補を新たに探ったり、発売済みの薬の中からCOVID-19に効果のある製品があるか検証したりする方式で開発が進められている。国立保健研究院と科学技術情報通信部、韓国化学研究院、韓国生命工学研究院の4つの政府機関も、ワクチンと治療薬の開発に着手したという。

チェ・ミニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/932344.html韓国語原文入力:2020-03-12 17:51
訳D.K

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