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輸出、11カ月連続でマイナス…韓国政府「底を打って回復するだろう」

登録:2019-11-02 00:05 修正:2019-11-03 10:50
先月マイナス14.7%、467億8千万ドル減 
減少幅3年9カ月ぶりに最大 
 
半導体メモリー価格の回復傾向などで反騰予想 
政府、年末までの貿易金融60兆ウォンを投入
グラフィック=コ・ユンギョル//ハンギョレ新聞社

 米中貿易紛争による世界経済の不確実性と半導体など主力輸出品目の単価の下落で、韓国の輸出が11カ月連続でマイナスを記録した。ただし、輸出量の減少もなく、半導体価格の下落傾向が緩やかになったうえ、米中貿易紛争が妥結する可能性も出ており、来年には輸出が次第に回復するという見通しも示されている。

 産業通商資源部は1日、先月の輸出(関税庁の通関ベース)が昨年同月より14.7%減った467億8千万ドルと暫定集計されたと発表した。輸入は14.6%減った413億9千万ドルだった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は53億9千万ドルで、93カ月連続で黒字を維持した。

 輸出は昨年12月から11カ月連続で減少している。先月の減少幅(対同月比基準)は3年9カ月ぶりに最大値を記録した。全体輸出量は増えたものの、半導体や石油化学など主力輸出品目の単価下落や米中貿易紛争が長引いていることによる影響と見られる。このまま行けば、今年の年間輸出は2016年(-5.9%)以来3年ぶりにマイナス成長になると予想される。産業部は「先月の輸出減少幅が拡大したのは、昨年10月が歴代二番目に輸出量が多かったことによるベース効果の影響が大きい」と説明した。

月別輸出額と増減率の推移=資料:産業通商資源部//ハンギョレ新聞社

 品目別には半導体(-32.1%)、石油化学(-22.6%)、自動車(-2.3%)、鉄鋼(-11.8%)、ディスプレイ(-22.5%)などの輸出が低迷している一方、船舶(25.7%)やコンピューター(7.7%)、バイオヘルス(7.8%)、化粧品(9.2%)、農水産食品(3.0%)などのいわゆる新成長品目は輸出が増えた。地域別には、中国(-16.9%)やと米国(-8.4%)、日本(-13.8%)への輸出が共に減少した。韓国と対立している日本に対しては、輸出の減少が続いているが、日本政府の輸出規制強化による影響は限定的と分析された。

 政府は輸出不振が10月に底を打ったと見て、少しずつ改善すると見通している。半導体メモリーの価格が最近、回復傾向を見せている上、主要品目の輸出量が増加傾向にあることが、反騰の要素に挙げられる。ソン・ユンモ産業部長官は「米中貿易紛争の1段階の交渉妥結の可能性とブレグジットの期限延期とともに、我々が超格差を維持している半導体価格の回復と受注船舶の引き渡しの本格化などが後押しすれば、来年第1四半期の輸出はプラスに転じるだろう」と展望した。

 政府は同日、「官民合同輸出状況点検会議」を開き、輸出の反騰に向け、政策力量を総動員することにした。年末までの貿易金融60兆ウォン(約5兆5500億円)を投入して「輸出契約基盤特別保証」支援を今年500億ウォン(約46億円)から来年2千億ウォン(約185億円)に拡大する計画だ。中小企業向けの金融支援は8兆2千億ウォン(約7600億円)規模に補強し、非メモリー半導体やバイオヘルス・未来自動車など3大未来核心産業に350兆ウォン(約32兆円)の大規模な投資を官民合同で推進することにした。

 一方、2カ月連続の消費者物価の下落傾向は止まった。同日、統計庁は10月の消費者物価上昇率が0.0%だったと発表した。統計庁関係者は「小数点第1位まで公表する公式指標としては横ばいだが、小数点第3位ではプラスだった」と説明した。当初マイナスの可能性が取りざたされた10月の物価上昇率が横ばいを示していることについて、統計庁は「最近台風や秋の長雨で白菜など一部の野菜価格が値上がりし、農産物の下落幅が予想より少なく、石油類のほか工業製品で、(価格)上昇の要因があったため」と説明した。

ホン・デソン、ノ・ヒョヌン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/915500.html韓国語原文入力:2019-11-01 19:44
訳H.J

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