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OECD、全世界で「グーグル税」導入を推進

登録:2015-10-07 00:33 修正:2015-10-07 06:30
 世界各国で金を稼いで税金を納めない多国籍企業の“税金ショッピング”遮断
 「国際租税規定が根本的に変わるだろう」
グーグル本社=資料写真//ハンギョレ新聞社

 早ければ2017年から、いわゆる“グーグル税”が全世界的に導入される展望だ。多くの国で所得を上げながら税金はまともに納めない多国籍企業を狙った措置だ。

 経済協力開発機構(OECD)は6日、最終報告書となる「国家間所得移転および税源浸食」(BEPS)を発表した。 8日、ペルーのリマで開かれる主要20カ国(G20)財務長官および中央銀行総裁会議に提出されるこの報告書は、2013年に主要20カ国(G20)首脳会議で多国籍企業の租税回避行為に対する国際共助の必要性が提起されたことに伴うものだ。 最近2年間、OECD主導で約60カ国の課税当局と企業代表、市民団体などが2年間にわたり額を突き合わせて報告書を作成した。

 アンヘル・グリアOECD事務総長はこの日出した報道資料で「多国籍企業らの所得移転と租税回避は経済的な問題のみならず信頼の問題でもある」として「今回の方案樹立は100年ぶりに国際租税規定が最も根本的に変わることを意味する」と明らかにした。

 報告書は国家間でそれぞれ異なる租税体系を悪用し、税金を納めなかったり、納めても少ししか納めない多国籍企業らの“税金ショッピング”を遮断することに狙いを置いた。 固定事業場がなく課税が難しいグーグルなどのIT企業に対する批判が巻き起こり、このような企業に賦課する税金を通称“グーグル税”と称した。

 報告書は企業課税の一貫性確保と国際基準の乱用防止、透明性強化の3領域で構成された。 まず、国外の子会社所得を本国に割り振らず長期留保して税金を払わない手法を遮断するために、一定規模以上の所得は配当したと見なして課税することにした。知的財産権のように移動が容易な所得発生源を低税率国家に移し税金を節減する行為を防止するための措置だ。

 国際基準の乱用防止のためには、租税条約上の固定事業場の適用範囲を拡大し、固定事業場がないという理由で税金を回避する行為を遮断することにした。 法律的所有権よりは実質的な開発寄与度を尺度に特許により発生した所得に対して課税することにした。 さらに透明性強化のためには、企業の租税回避戦略に関して国家間情報交換を活性化することにした。

 個別国家はこうした指針に従い税法を手直しし、必要な場合には租税条約も変更していく方針だ。 多国籍企業の所得発生構造などに関する情報を来年初から相互交換することにした。 これに伴い、2017年頃には韓国を含む主要国家の課税当局は、多国籍企業の事業活動と発生所得に対する全体内容を把握できることになる。 アンヘル・グリア事務総長は「大聖堂を2年間で作ったようなものだ。当初の期待より大幅に高い水準の国際的合意がなされた」と語った。

世宗/キム・ギョンナク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/711621.html 韓国語原文入力:2015-10-06 15:12
訳J.S(1374字)