今年7月4日に日本が韓国の半導体材料などに対する輸出規制を強化してから、11日で100日を迎える。2カ月間で韓国が日本のホワイト国(グループA)から外され、3大主要半導体材料(フッ化ポリイミド、レジスト、高純度フッ化水素)の輸入期限が従来の1週間から最大90日に増えた。産業全般に規制が拡大するという悲観的な見通しは外れたが、危機感はまだ消えていない。
7月に3大品目の輸出規制が施行されたことを受け、韓国政府は追加制裁が予想される品目159個を選別し、自立化案を立てるなどの輸出規制の拡散に備えた。証券会社らもシリコンやバッテリー、フランクマスクなど先端産業の主要材料を取り上げ、「日本の規制が全面的に拡大する可能性がある」と予想した。しかし、韓国企業の被害は現実のものにならなかった。日本政府が個別輸出規制の強化品目を半導体やディスプレイの3大材料からさらに増やさず、輸出管理内部規遵守企業(CP企業)に限り、輸出手続きを簡素化する制度も維持することを決めた。サムスン電子とSKハイニクスは日本ではなく、第3国を通じて在庫を確保した。産業通商資源部の集計によると、日本政府はこの2カ月間、フッ化ポリイミド1件と感光液3件、気体フッ化水素3件など計7件の輸出を許可した。半導体の回路設計に使われる液体フッ化水素を除いたすべての品目が輸入されたため、当初の懸念よりも打撃は大きくなかったわけだ。
韓国の半導体業界は危機への対応力を高めた。サムスン電子とSKハイニクスは、日本に一本化された素材供給先を米国やシンガポール、台湾など諸国に多角化し、主要材料の供給への支障に備えた非常対応計画(コンティンジェンシープラン)も立てた。国内の半導体後方産業の基礎体力も強化した。20年ぶりにサムスン電子とSKハイニックスの国内取引窓口が開かれ、ソルブレインやフソン、ENFテクノロジーなど、国内の強小企業が大手企業に試験的に納品する機会を得た。日本との技術格差を縮めるために政府は研究開発(R&D)支援制度をリスク甘受型・需要連携型へと再編し、老朽化したテスト装備を交換することにすると共に、強小企業100社を育成することにした。
国民の凝集力は予想を超えた。自動車やビール、衣類、旅行などに対する日本関連商品の不買運動が流通産業全般に広がり、韓国に進出した日本企業はかなりの打撃を受けた。ハナツアーやモドゥツアーの資料によると、9月の日本旅行の需要は昨年同月に比べて75.4~90.8%に下落した。韓国輸入自動車協会が集計した先月の日本車新規登録台数も、昨年同月に比べて59.8%減少し、7月第4週、国内8つのカード会社のユニクロの売上高は6月第4週に比べて70.1%ほど減少した。
専門家らは、韓日間の対立の長期化を防ぐべきだと口をそろえた。ソン・テユン延世大学教授(経済学)は、「不確実性が長引けば、韓日両国が協力関係を維持するのが難しく、技術力の劣る製品を使うなど、非効率が発生しかねない」とし、「すべての品目を国産化するよりは、国際市場に通用する主要品目を選ばなければならない」と指摘した。ソン・ギホ弁護士も「当初から日本政府は低いレベルの措置から始め、輸出を無力化しようとする枠組みを引き続き維持している。このような流れが長引けば、韓国企業が日本の技術を使える選択肢が減り、製品の競争力にも影響を及ぼすことになる」とし、「(強制徴用問題を)政治や外交問題ではなく、人権事案で解決しようとする試みが必要だ」と述べた。