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富裕層、依然として不動産を好み…金融資産は減る

登録:2019-09-30 04:58 修正:2019-09-30 17:36
KB金融経営研究所『2019韓国富裕層報告書』
資料写真//ハンギョレ新聞社

 昨年、マンション価格の上昇と株価の下落で、韓国国内の富裕層の保有不動産と金融資産の格差が広がった。彼らが予想する有望な3大投資先も全てが不動産で、「不動産不敗」に対する信頼の強固さが浮き彫りになった。

韓国の富裕層の資産構成比の推移//ハンギョレ新聞社

 29日、KB金融経営研究所が発行した『2019韓国富裕層報告書』によると、昨年末現在で金融資産を10億ウォン(約9000万円)以上保有している「富裕層」は32万3千人で、1年前に比べて1万3千人(4.4%)増加した。この5年間で最も低い増加率だ。同研究所は株式市場の不振を主な原因とみている。昨年末、KOSPI指数は2017年との比較で17.3%急落した。

 韓国の富裕層は半分近く(14万5400人強・45%)がソウルに住んでいる。10人のうち7人(22万4900人強・69.6%)は京畿・仁川(インチョン)を含めた首都圏地域に集まっている。ソウルの中では46.6%が江南(カンナム)・瑞草(ソチョ)・松坡(ソンパ)の「江南3区」に集中している。

 韓国の富裕層の資産は不動産(53.7%)と金融資産(39.9%)に大きく分けられる。それ以外に会員権や芸術作品などのその他の資産が一部を占める。不動産の割合は、長い間50%前半を維持している。その反面、金融資産の割合は2017年までの4年間は40%前半で推移していたが、昨年40%を下回った。同研究所は「昨年、主要地域のマンション価格が急騰するいっぽう、株価は下落し金融資産が減少したのが主な原因とみられる」と説明した。それでも富裕層は、一般世帯に比べ金融資産の割合が依然として2倍ほど高い水準だ。統計庁の家計金融福祉調査(2018)によると、国内の一般世帯の総資産のうち、不動産は76.6%、金融資産は18.9%だった。

富裕層が考える長期有望投資先ベスト5//ハンギョレ新聞社

 富裕層が挙げる長期的に収益が予想される最も有望な投資先は、ビル・商店街だ。続いて居住外住宅、居住住宅の順だった。株式は4位で、金融資産の中では最も高かった。同研究所は「過去から蓄積されてきた投資経験が反映されており、変化が起こりにくい投資態度の一つと考えられる」と説明した。

 実際、ここ3年間の投資損失の内訳を見ても、彼らの不動産好みは一理ある。富裕層のうち、ここ3年間で投資で損失を被ったケースは40.3%だった。急騰落が激しい株(55.9%)とファンド(24.8%)は損失を被りやすかったが、ビル・商店街(3.7%)、居住外住宅(2.5%)、居住住宅(1.2%)などの不動産は損失を被ったケースが稀だった。報告書は「2014年以降の主要地域の持続的な不動産市場の活況に起因したものとみられる」と説明した。

 今年で9年目の発行となる韓国富裕層報告書は、国内の富裕層の現状やライフスタイル、投資行動などを把握するため、金融資産10億ウォン以上の保有者400人を対象に実施したアンケート調査の結果などをもとに作成された。

パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/911355.html韓国語原文入力: 2019-09-29 17:54
訳D.K

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