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“PM2.5の主犯”石炭の諸税優遇が終わる

登録:2019-03-20 09:11 修正:2019-03-20 11:54
石炭の環境費用はLNGの2倍なのに 
有煙炭の税金の方が安かった歪みを改善 
石炭は36ウォン→46ウォン、LNGは91.4ウォン→23ウォン 
「PM2.5、年間427トン削減を期待」
首都圏唯一の石炭火力発電所の仁川甕津郡にある霊興石炭火力発電所の様子=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 有煙炭に課される諸税負担金が4月からキロ当たり36ウォンから46ウォンに増え、液化天然ガス(LNG)は91.4ウォンから23ウォンへと大幅に減る。発電用燃料である有煙炭とLNGに課される税金が逆転したことで、高効率のLNG発電所の活用度が大幅に高まることになった。脱石炭エネルギー転換を困難にし、微小粒子状物質(PM2.5)問題を深刻化させた、歪んだ発電用燃料価格の改善作業が「諸税調整」で第一歩を踏み出した。今後、発電用燃料価格にはさらなる環境費用が反映される予定だ。

 産業通商資源部は、4月1日から発電用LNGの輸入負担金をキロ当たり24.2ウォンから3.8ウォンへと大幅に引き下げ、有煙炭は従来の0ウォンを維持する「石油および石油代替燃料事業法施行令」改正案が19日の閣議で議決されたと明らかにした。昨年7月に発表された税法改正案に盛り込まれた個別消費税調整(有煙炭36ウォン→46ウォン、LNG60ウォン→12ウォン)も適用される。また別の税金である関税は、有煙炭(0ウォン)、LNG(7.2ウォン)いずれも従来通り維持される。

 政府が有煙炭・LNGの税制を調整したのは、外部環境費用を燃料価格にきちんとに反映することで、歪んだ市場構造を正すためだ。産業通商資源部の集計によると、有煙炭のPM2.5処理費用(キロ当たり2.0ウォン)の方がLNG(3.4ウォン)より低い。しかし、PM2.5誘発物質である硫黄酸化物(SOx)の処理費用は有煙炭(40.3ウォン)の方がLNG(3.3ウォン)よりはるかに高く、窒素酸化物(NOx)の処理費用も有煙炭(42.5ウォン)の方がLNG(35.9ウォン)より高い。それなのに諸税負担金は石炭発電に絶対的に有利に策定されていたのだ。

 諸税負担金の調整で、発電所の稼動の順序に一部変化が起きる予定だ。韓国国内のすべての発電所は、電力取引所で取引される電力リアルタイム価格(系統限界価格・SMP)を計算し、低価格で電気を販売できる順に稼動している。通常、原子力、石炭、LNGの順だ。産業部の関係者は「税制の変更で石炭とLNGの給電の順序が完全に変わるわけではない。ただ、以前までは水と油のように石炭とLNGの順序が区分されていたとすれば、今後は低効率の石炭発電所より高効率のLNG発電所が先に稼動する場合が生じる可能性がある」と説明した。古い低効率石炭発電所の活用度の低下によって政府が期待するPM 2.5削減量は、年間427トンだ。

 燃料価格の歪曲改善作業には、まだ数段階が残っている。政府は汚染物質の低減のための薬品処理費用、排出権取引制度費用など、他の環境費用を段階的に「発電単価」に反映する予定だ。燃料価格のみを基に算定した発電単価ではなく、外部コストが考慮された「均等化発電単価」(LCOE)を使用しようというものだ。ただし、関税・個別消費税・輸入負担金をすべて免除されているウランに対する税制調整の計画はない。産業部の関係者は「税収中立的に税制を調整しているため、直ちに電気料金を引き上げる要因はない」と説明した。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketng/886562.html韓国語原文入力:2019-03-20 01:28
訳M.C

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