最近の相次ぐ高濃度の微細粒子状物質(PM2.5)の発生が、中国の影響によるものという分析結果が発表される中、政府が今からでも、中国政府に対してPM2.5の削減を誘導できる実質的な外交的対応策を講じるべきだという声が高まっている。
6日、ソウル市保健環境研究院は、最近ソウルの大気汚染が深刻になったのは国内の気象条件の悪化に加え、中国の北京や瀋陽などで発生したPM2.5が流入したためという分析を発表した。(「中国のPM2.5、12~30時間後には朝鮮半島覆う…北京の爆竹成分をソウルで検出」japan.hani.co.kr/arti/politics/32961.html)
このため、専門家らは、国内のPM2.5問題を解決するには、根本的に中国のPM2.5の排出量の低減を共に進めなければならないと指摘する。仁荷大学のチョ・ソギョン教授(環境工学)は「北京でのPM2.5の“濃度”を抑えるのは韓国に大きな影響を及ぼさない。重要なのは中国大陸全体の“排出量”」だとし、「1960年代、大気汚染による酸性雨の被害が深刻だった欧州諸国が、1979年の『長距離越境大気汚染条約』(Convention on Long range Transboundary Air Pollution:CLRTAP)と1985年の『ヘルシンキ議定書』などを通じて、酸性雨の主犯である二酸化硫黄の排出を30%削減することに成功した事例を参考にすべきだ」と話した。
これまで中国と締結した韓中自由貿易協定(FTA)を活用すべきという声もあがっている。通商専門家のソン・ギホ弁護士は、現在進行中の韓中FTAの再交渉で、中国にPM2.5排出量の管理の責任を取らせるべきだと指摘した。ソン弁護士は「韓米自由貿易協定を見れば、制度的装置として両国が『環境協議会』を設置し、手続き的に利害関係者が相手国の環境法違反について調査を要求できるよう定めている」とし、「中国のPM2.5排出量は、中国内の環境関連規制に違反する行為とも関連性が高いだけに、中国企業などが自国の環境法に違反した場合、韓国が中国政府に審議・調査を要請できる条項などを協定文に盛り込まなければならない」と話した。
しかし、韓中自由貿易協定の場合、周辺国の協力なく韓中両国の関係だけで問題を解決しなければならないという点で、現実性が低いという指摘もある。中国との1対1の外交関係において、韓国の交渉カードがより不利であるからだ。このため、環境財団微細粒子状物質センターのチ・ヒョニョン局長はもっと“現実的な代案”を提示している。「実効性を考えると、中国のPM2.5の影響を直接・間接的に受けるアジア諸国と自発的削減協約を結び、中国がアジアの代表国として削減を履行せざるを得なくするのが実現可能なモデルだと思う。国家規模や水準が似ている欧州の場合、平等な監視体制が作動するが、アジア諸国の場合、中国やインドなどの“大国”が強制性のある協約の締結を回避する可能性が高い」
政府が昨年10月、中国や日本、モンゴル、ロシア、北朝鮮など6カ国とともに作った「北東アジア清浄大気パートナーシップ」(NEACAP)も、こうした問題意識から推進されたと言える。クォン・セジュン外交部気候局長は「現実的に中国に削減が義務付けられたとしても、履行を強制する方法がない」とし、「多国間の自発的協議体を組織した後、パリ協定の国別削減・抑制目標( NDC:Nationally Determined Contribution)のように、中国が自発的に義務削減目標を掲げて守る案を模索しなければならない」と説明した。