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韓国GM法人分離の収益改善効果、年間60億円にすぎず…政府・産銀だけが知る計算法

登録:2018-12-20 06:50 修正:2018-12-20 07:50
政務委関係者、営業利益の改善規模を確認  
600億ウォンは昨年の営業損失の7%水準 
収益判断できる資料公開しない密室合意に 
「産銀が合意の成果を誇張している」との指摘も 
政務委関係者「税金投入されたからには公開すべき」
ハンギョレ資料イメージ//ハンギョレ新聞社

 韓国GMの法人分離にブレーキをかけたものの賛成に転じた2大株主のKDB産業銀行が、合意の成果として「収益性の改善」を挙げているが、こうした改善が見込まれる営業利益は年間600億ウォン(約60億円)規模であることが分かった。韓国GMの昨年の年間売り上げが10兆7978億ウォン(約1兆800億円)で、営業損失が8552億ウォン(約850億円)だったことを考慮すると、このような収益性の改善効果は微々たる水準だ。産業銀行が収益性の改善だけで法人分離に賛成を決めたわけではないが、合意による収益性を計算できる客観的数値など、根拠をほとんど公開しておらず、“密室合意”という声もあがっている。

 19日、国会政務委員会関係者は「産銀などを通じて把握した結果、今回の合意で得られる収益性の改善効果は、韓国GMの分割された2つの法人を合わせても、年間営業利益600億ウォン規模と確認された」とし、「収益性の改善がまったくできないよりはましだが、改善規模が少なく、国民の税金が投入される韓国GM関連の合意内容について、国会でも収益性を計算できるようにすべきなのにもかかわらず、不透明な点があまりにも多い」と話した。

 前日、韓国GM法人分割が臨時株主総会を通過した直後、産銀は「(法人分離事業計画を)検討した結果、(2つの法人の)収益性の改善効果が期待できる。企業価値が高まることはもちろん、韓国GMの負債比率の改善などが予想される」としたうえで、「交渉過程で産銀が主張した技術契約の改編条件が反映された影響と判断される」と発表した。それだけでなく、国内部品産業で生産量と新規雇用の増加効果も現れるだろうと強調した。しかし、産銀はこれと関連した数値などは全く公開しなかった。イ・ドンゴル産銀会長は記者団に「非公開が条件の交渉なので、具体的な数字は遠まわしに言うしかない」と述べた。産銀と専門用役機関が生産部門と研究開発部門を分ける法人分離と技術契約改編効果を総合的に検討した結果、損より得の方が大きいという判断を下したが、GMとの関係上、根拠の数値は公開できないということだ。

 しかし、産銀が営業利益と企業価値の増加、財務比率の改善など関連数値の代わりに公開した合意成果については、“誇張”に近いという反応も少なくない。産銀は、今回の合意で研究開発法人が準中型スポーツ用多目的車(SUV)とクロスオーバーSUV(CUV)の「重点研究開発拠点」に指定されたという成果を掲げた。産銀はこうした拠点を指すGMの内部用語を対外的に公開するのは難しいとし、「重点研究開発拠点」は産銀が独自に作った用語だと説明した。また、今年5月に妥結した交渉では、研究開発物量はSUV車だけを約束したが、今回はCUVも追加で確保したと強調した。しかし、韓国GM労組側では、このような拠点を指すグローバルGMの概念自体が、すでに数年前に廃棄されたうえ、新たに設けられるというCUVの研究開発物量は、約2カ月前から韓国に来ることが既成事実となり、内部ではすでに知られている内容だと主張した。

 別の国会政務委関係者は「政府と産銀は国益のための善意を前面に掲げ、多くの部分を非公開に回し有利な合意を取り付けたから、そのまま信じろと言っているだけ」だとし、「税金が投入された以上は、客観的に状況を判断できる資料を提供すべきだ」と話した。

チョン・セラ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/875090.html韓国語原文入力:2018-12-19 19:48
訳H.J

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