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[社説]GM 「韓国で最低10年」の約束厳守を

登録:2018-12-19 01:29 修正:2018-12-19 07:40
韓国GM仁川富平工場の全景=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国のGMが議論の末に研究開発(R&D)を専門担当する会社を切り離す会社分割を行なった。同社は18日、臨時株主総会を開き、研究開発法人分離案を議決した。これでGMは新設法人である「GMテクニカルセンターコリア」と、生産を担当する既存のGMに分かれることになった。

 GMの法人分離は、2大株主であるKDB産業銀行が法人分離賛成の方に回ったためだ。当初、同行は10月のGMの臨時株主総会で法人分離が議決されるとすぐに「一方的な決定」だとして効力停止仮処分を申立て、裁判所はそれを受け入れた。同行の拒否権が認められたのだ。GM労組も「法人分離は韓国撤収のための事前整地作業」として反対した。

 その後、同行は韓国GMに研究開発法人事業計画書を提出させ、外部サービス機関の検討を経た。法人分離で企業価値が大きくなり、負債比率が改善されて費用が節減されると判断した。法人分離に賛成してGMに約束した出資金のうち残りの半分である4千億ウォン(約400億円)を年内に執行する代わりに、GMが韓国を離れずに経営を続けることを保障するようGM本社に要求した。

 同行はこの日、記者会見を行い「GM本社が新設法人を準中型スポーツユーティリティビークル(SUV)とクロスオーバーユーティリティビークル(CUV)の重点研究開発拠点に指定し、追加の研究開発物量を確保して、今後10年以上持続する可能性を保障するために努力することに合意した」と明らかにした。イ・トンゴル頭取は「研究開発法人も強化されて生産法人にも役立つだろう」と話した。また、法人が分離しても同行は二つの法人とも2大株主の地位を維持すると述べている。GMも報道資料を出し、「GMテクニカルセンターコリアはGMに生産配分が確定した次世代準中型SUVと新しいCUVに対するグローバル開発を主導することになる」とし、「これによって韓国の協力企業等はより多くの部品を供給する機会を持つようになる」と明らかにした。

 GM本社が約束をしたとは言うものの、これを額面通りに信じにくいのが率直な思いだ。GMがこれまで見せてきた行いのためだ。GMは2月に群山(クンサン)工場を突然閉鎖したのに続き、10月には同行と労組が強く反対するなか臨時株主総会を開いて、法人分離を議決した。常に「食い逃げ論議」を自ら招いて信頼を失ってきたのだ。GM本社が今回だけはGMの経営正常化のために真摯な態度を見せることを願う。同行も2大株主としての権限を積極的に行使して、GM本社が約束を必ず守るように牽制と監視の役割を忠実に果たさなければならない。

 GM労組は相変らずGM本社に対する疑いをもって、19日にストライキを予定するなど強く反発している。GMは労組と十分に話し合い、理解を求める努力を惜しんではならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/874914.html韓国語原文入力:2018/12/18 19:18
訳T.W

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