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やりたくてもできない経済協力…頭抱える訪朝4大グループのトップ

登録:2018-09-22 06:00 修正:2018-09-22 07:04
サムスン、LG、SK、現代自動車など、翌日にもこれといったメッセージなし 
具体的メッセージ出す経済団体長、公共機関長とは異なり  
国連制裁や劣悪なインフラのため直ちに協力することは困難 
経済協力に否定的な保守勢力意識し…水面下の検討が続ける見込み
今月19日、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長(右から4番目)とチェ・テウォンSK会長(左から4番目)など、特別随行団が平壌大同江区域の大同江水産物店を訪れて、室内のいけすを見ている=平壌写真の共同取材団//ハンギョレ新聞社

 南北首脳会談の特別随行団の一員として訪朝した4大グループのトップらが南北経済協力について慎重な反応を示している。国連制裁が続く状況で、民間企業が果たせる役割が限られており、彼らは当面、水面下で検討作業などを行うものとみられる。

 サムスン電子のイ・ジェヨン副会長やク・グァンモLGグループ会長、チェ・テウォンSKグループ会長、キム・ヨンファン現代自動車副会長は、平壌(ピョンヤン)から戻った20日に続き、21日にも、これといったメッセージを発表しなかった。前日、チェ・テウォン会長が「(北朝鮮に)どんな絵をどうやって描くかを考えてみたい」と述べたことが、中でも目立っただけだ。ク・グァンモ会長は同日、持ち株会社の役員らと訪朝経験を一部共有しており、イ・ジェヨン副会長は、特に予定がなかったという。

 パク・ヨンマン大韓商工会議所会長やパク・ソンテク中小企業中央会会長、オ・ヨンシクKORAIL社長など、経済団体長や公共機関長らがメディアを通じて、訪朝の感想を具体的に述べると共に、粗筋ではあるもののこれから先の構想を明らかにするのとは対照的だ。

 南北経済協力に対する4大グループの悩みは、彼らが今すぐ、そして直接できることがあまりないという点に起因する。各グループの実務役員らは「北朝鮮に対する経済制裁がまだ続いており、インフラも整っていない状況で、急いで積極的な経済協力を進めるのは難しい」と口をそろえている。建設や通信、電気、鉄道などインフラ関連事業は加速化できるが、これは政府政策にかかわる事案であり、企業が独自で進めるのは難しい。また、国内の保守勢力が迅速かつ積極的な経済協力に反対する雰囲気なので、これも意識せざるを得ない。現代自動車グループの関係者は「南北関係の変化と北朝鮮の現実を理解するのに、かなり役に立った」としながらも、「対北朝鮮事業は、朝米関係と対北朝鮮制裁など、政治的不確実性が解消されない限り、検討できない」と話した。

 北朝鮮も、新規経済協力事業よりも、既に行われていたが中止された事業に焦点を合わている雰囲気だ。オ・ヨンシクKORAIL社長は前日、ハンギョレとの電話インタビューで「リ・リョンナム内閣府首相が『新しい事業も重要だが、南北鉄道や金剛山(クムガンサン)観光、開城(ケソン)工業団地など、すでに着手していた事業を生かして優先的に進めよう。その土台の上で交流協力の範囲を拡大していけると思う」と話した。この言葉通りなら、南北はまず、鉄道の連結や開城工業団地の正常化、金剛山観光の正常化など、従来の経済協力事業に集中し、それ以外の経済協力は徐々に進める可能性が高い。

 ある4大グループの財界関係者は「各グループのポートフォリオを見ると、これからどのような経済協力事業が可能かがわかる」とし、「今後この枠組みからはみ出したりはしないだろうが、国際関係の影響などの要因で、時間がかかるかもしれない」と話した。業界ではサムスンの場合、電子製品の後工程分野、SKは石油化学や通信、LGは資源開発と電子製品の組み立て、現代車は建設や鉄道などで経済協力の可能性があるとみている。

チェ・ヒョンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/863161.html韓国語原文入力:2018-09-21 20:05
訳H.J

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