8年半ぶりに就業者増加幅最小
製造業が12万7千人減り決定打
「生産職減少が事務職増加を超える」
派遣縮小のせいで施設管理10万人減少
「大企業でなく下請け企業など持ちこたえられず」
雇用率も1年前より0.3%p下落
40代の減少幅が20年ぶり最大
深刻な猛暑のため日雇い・臨時職が減る
人口高齢化も就業減少に影響
7月の雇用事情が予想以上に振るわなかった。今年2月の就業者増加幅が10万人台に沈んだ以後、反騰の兆しが見られない。先月の場合、グローバル金融危機の余波が大きかった時と似た水準で雇用が振るわず、特に韓国経済の要の役割を担っている40代が“雇用ショック”の直撃弾を受け深刻性が加重された。主力産業の製造業不振の余波が深刻になっているところへ、人口構造の変動要因まで重なって、雇用不振のトンネルから容易に抜け出せないだろうという暗鬱な展望もある。
統計庁が17日に発表した「7月雇用動向」によれば、先月の就業者数は一年前より5千人の増加に終わった。これは、世界金融危機の影響圏にあった2010年1月に1万人の減少を記録して以来、8年6カ月ぶりに最も低調な水準だ。雇用率も61.3%で一年前より0.3%下落した。
月別就業者増加幅は、昨年でも30万人台の水準だったが、今年に入って減り始めた。今年2~4月には10万人台をかろうじて維持したが、5月には7万2千人に減った。地方選挙の影響で6月には10万6千人まで上がったが、7月にはついに1万人を割り込んだ。韓国労働研究院のソン・ジェミン研究委員は「今年2~4月の雇用不振は、生産可能人口(15~64歳)減少の影響が大きかったが、5月からは製造業や建設業など主力業種の景気不振が決定的影響を及ぼしたようだ」と分析した。
実際、製造業の場合、月別就業者の減少幅が拡大している。製造業は、2016年下半期から造船業リストラの余波で就業者が減り、昨年6月に増加傾向に戻っていた。その後11カ月ぶりの今年4月に再び減少傾向に転じた。特に先月の減少幅は12万7千人で、4月(-6万8千人)より二倍多かった。ソン研究委員は「昨年第4四半期から製造業の生産職が減ってきたが、事務職の増加で相殺される程度を超えて減少幅が大きくなっている」と話した。
製造業の不振は、他産業にも余波を及ぼしている。製造業は、全就業者の16.6%を占め、雇用指標を牽引する役割もするが、卸・小売業など他産業との関連性も深い。警備・清掃人材を含む「事業施設管理・事業支援および賃貸サービス業」の就業者数は、先月10万1千人も減った。関連統計が始まった2014年1月以後、最大の減少幅だ。ビン・ヒョンジュン統計庁雇用統計課長は「事業施設管理業は他産業に人材を供給する業種なので、雇用状況と景気的要因が良くてこそ就業者が増加する傾向を示す」と説明した。
今年に続き来年も2桁の引き上げが決定された最低賃金の影響に注目する人もいる。ソン・テユン延世大学教授(経済学)は「製造業の景気が良くない状況で、先月に来年の最低賃金10.9%引き上げが決定され、週52時間超過勤務の禁止が施行された点が市場に心理的衝撃を与えた側面もある。大企業は利益が減少しても持ちこたえられるが、大企業の2,3次下請け企業は全体の雇用を減らしたり、非正規職から解雇しがちだ」と話した。
建設業の場合、先月3万7千人増え、6月(1万人増加)よりは事情が良くなったが、昨年月平均で11万9千人ずつ増えたことに比べれば遥かに至らない。昨年下半期から就業者の減少傾向が続いてきた卸・小売業(-3万8千人)と宿泊・飲食業(-4万2千人)も先月不振を免れなかった。
年齢帯別では、40代が最大の打撃を受けた。40代の就業者数は先月14万7千人も減って、外国為替危機の直後である1998年8月(15万2千人)以後で最大の減少幅を見せた。雇用率も79.1%で、昨年同期に比べ0.7%も下落した。40代は、製造業、建設業、卸・小売業、宿泊業などに大挙布陣していて、景気不振にともなう雇用ショックの直撃弾を受けている。
一部では先月の猛暑の影響もあったと見ている。異常に暑かったせいで、活動性が落ち宿泊・飲食業などが休暇シーズン特需を享受できなかった。また、建設業の日雇いや高齢者も猛暑で仕事場を見つけるのに困難があったと統計庁は分析した。このような影響は8月も続く展望だ。
少子高齢化が非経済活動人口を大幅に増やしている点も赤信号に挙げられる。先月の15歳以上人口は24万1千人増加したが、経済活動人口は8万6千人の増加にとどまった。非経済活動人口は2倍近い15万5千人増加した。また、先月の非経済活動人口のうち「ただ休んだ」と答えた人と求職断念者は、それぞれ23万2千人、6万3千人増えた反面、就職準備者は4万1千人減った。