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キム・ジョンガプ韓国電力社長「深夜産業用電気料金の引き上げ必要」

登録:2018-06-26 22:40 修正:2018-06-27 08:46
「誤ったエネルギー消費形態を直さなければ」 
深夜産業用電力は大企業がほとんど使用 
「大企業が15%安く電気を使う構造」
4月10日に就任した韓国電力のキム・ジョンガプ社長=資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国電力が、大企業が主に使う深夜時間帯の産業用電気料金の引き上げを政府に要請した。

 キム・ジョンガプ韓電社長は26日、世宗(セジョン)市で記者懇談会を開き、軽負荷(深夜・午後11時~午前9時)時間帯の産業用電気料金の調整を推進していると明らかにした。彼は「深夜産業用電気の使用量の54%を大企業が使っている」として「大企業が中小企業より16%安く電気を使っているわけだが、中小企業を考慮する側面からもこうした構造は不合理」と指摘した。

 これまで電力の卸売商である韓電が販売する電気のうち、産業用深夜電気料金は家庭用・一般用よりも大幅に安いため、大企業を中心にエネルギーの過消費をすることになり、家庭用が産業用を“補助”する不公正な料金体系という批判があった。

 キム社長は「軽負荷時間帯の料金調整は電気料金の引き上げにつながらないだろう。政府に韓電の売り上げが増えない範囲で調整してほしいと要請している」と話した。政府が深夜産業用電気料金を調整し、中小企業をはじめとする国民全体の負担が大きくなるのではという憂慮をする必要がないということだ。これに先立ってパク・ウォンジュ産業通商資源部エネルギー資源室長も21日、記者団に会い、「軽負荷料金を上げても、その他の最大負荷や中間負荷時間帯の料金を調整して、企業全体の負担を最小化する」と説明した。

 キム社長は、当初韓国の電気料金は非常に安い方という点も強調した。彼は「我が国が電気料金を人為的に低く維持してきた結果、ガスや石炭など1次エネルギーを使うほうが効率的なのに、ガスや石炭を燃料にする2次エネルギーである電気を使う傾向がある」として「このような資源の浪費が世界のどどこにあるか」と話した。さらに「今までの誤った消費形態ははっきり直さなければならない」として「そのために深夜電気料金は調整しなければならない」と付け加えた。

ソウル市中区の韓国電力ソウル地域本部の配電センターで、職員が電力の需給状況を監視している=資料写真//ハンギョレ新聞社

 鉄板の腐食やコンクリートの孔隙などが相次いで発見され、原子力発電所に対する定期安全検査(計画予防整備)が長期化したために韓電の実績が悪化したことについては「耐えられない状況ではない」と明らかにした。韓電は、昨年第4四半期と今年第1四半期連続で営業利益が赤字になった。キム社長は「思った以上に韓電は内部的に赤字を吸収する余地があると判断する」として「原子力発電所の検査は、安全を担当する専門家たちの領域として任せておくことが正しい」と話した。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/850722.html韓国語原文入力:2018-06-26 18:41
訳J.S

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