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「サムスン生命はサムスン電子の株式持分解消方案持ってこい」…サムスンに再び直撃弾

登録:2018-05-09 23:20 修正:2018-05-10 09:04
9日、出入り記者懇談会開き 
「持分売却すれば外国資本の餌食に? 
具体的な実体のある懸念なのか疑問」 
「経営権が憂慮されるならば 
可能な方案をサムスンが見つけろ 
サムスンが方案を持ってくれば 
公正取引委と何かしら相談が可能」
チェ・ジョング金融委員長は9日、ソウルのあるレストランで金融委出入り記者との懇談会を開いた。チェ委員長はこの場で、サムスン生命が保有するサムスン電子など系列会社の株式持分の解消方案を早く用意すべきだと強調した=キム・ギョンナク記者//ハンギョレ新聞社

 「黙って放っておくわけにはいかない。(サムスン生命が保有する)サムスン電子の株式持分(8.23%)の解消方案を早く持って来なければならない」

 チェ・ジョング金融委員長が、サムスン生命が保有するサムスン電子の株式持分問題を再度強く指摘した。サムスングループの支配構造改編と、サムスン生命の資産偏重リスクの解消に対する政府の圧迫強度がますます高まっている。

 チェ委員長は9日、出入り記者懇談会で「先日の金融委幹部会での発言に対して、(サムスンを)圧迫することにならないかとの話が出たが、この場で金融会社の系列会社株式所有問題を取り上げた背景を説明する」と明らかにした。これに先立ってチェ委員長は、先月20日の金融委幹部会議で「関連法律が改正されるまで、該当する金融会社が改善努力を何もしないのは望ましくない。法改正前でも金融会社が段階的・自発的に改善措置を実行できるようにしなければならない」と述べた。国会には、保険会社が総資産の3%以上保有する系列会社の株式を7年間で処分するよう定めた保険業法改正案が発議されている。この改正案が処理されれば、サムスン生命は25~30兆ウォン(2.5~3兆円)程のサムスン電子など系列会社の株式持分を整理しなければならない。

 チェ委員長は「今後導入される国際会計基準と新支給余力比率などは、すべて保険会社の安定した資産運用を要求している。こうした国際的趨勢に合わせ、保険会社が積極的に備える必要がある」と述べた。さらに彼は、サムスン生命がサムスン電子の持分を売却する場合、サムスン電子が外国投機資本の餌食になりかねないという主張に対して「具体的に実体のある懸念なのか疑問だ」とし、「たとえそうだとしても、金融会社自身が自発的改善方案を用意することが必要」と話した。彼は「一部では、政府の意図が(サムスン電子に対する)政府の影響力拡大ではないかという話も出ているようだが、全く事実でない」と付け加えた。

 チェ委員長はまた「サムスン電子は今までは優良株だが、今後もずっとそうだと断言することはできない」として、「サムスン電子が困難に陥れば(それによりサムスン生命が受ける)衝撃はきわめて大きくなる」と話した。彼は「サムスン生命は総資産に占める株式の比重が14%にもなるが、他の保険会社は0.7%にすぎない。株式によるリスクが(サムスン生命は他の保険会社より)20倍も大きい」と付け加えた。金融委はサムスン生命の系列会社株式の配当収益率が一般保険会社の資産運用収益率より低いという分析もあわせて出した。グループの支配構造維持のためにサムスン生命と顧客が抱え込むリスクは大きく、実益はないという趣旨だ。

 チェ委員長は「(サムスン生命の)資産偏重リスクを減らすことが金融安定性を確保する核心であり、当局の関心事項だ。そうした懸念を緩和できる現実的方案は、当該会社が一番よく分かっている」として、「(サムスン電子の持分売却により)経営権が憂慮されるならば、そうした憂慮を減らすことができる方案をサムスンが見つけなければならない」と強調した。

 さらに一歩踏み込んでチェ委員長は、サムスンが自ら方案を持ってくるならば、公正取引委員会など他の部署とも相談するという意志も表した。彼は「サムスン生命の持分問題は、突き詰めれば結局財閥改革問題になる。そうした側面からキム・サンジョ公正取引委員長とも何かしら相談することができる」と述べた。これは市場の一角で議論されているサムスングループの支配構造改編方案を念頭に置いた発言と見られる。イ・ジェヨン副会長が最大株主であるサムスン物産が、サムスン生命のサムスン電子売却持分を買い入れる場合、一般持株会社になり、同時に公正取引法上の持株会社は上場子会社の持分20%を保有することになっているため、サムスン物産はサムスン電子の持分を7%(現在はサムスン電子持分4.6%保有中)ほど追加で買い取らなければならない。支配構造の改編に大きな費用がかかる計算だが、これを減らす方案を政府が探してみることもできるというのがチェ委員長の考えだ。

キム・ギョンナク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/843946.html韓国語原文入力:2018-05-09 19:47
訳J.S

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