本文に移動
全体  > 経済

GM、大規模リストラしながら減税の特恵も要求…政府の悩み深まる

登録:2018-03-22 04:24 修正:2018-03-22 09:25
外国資本投資地域の申請書で明らかになった事業縮小計画 
5年間、6千人減らす予定  
3500人追加削減の可能性も  
 
「1千億円投資」も新設ではなく、施設交替  
外国資本投資地域の要件満たすかも不透明  
新車生産もすでに予定されていたもの  
外国資本投資地域に指定されれば5年間10億円の減税
20日、韓国GM経営正常化協議に向けた労使団体協約の5回目の交渉が行われた仁川市富平区の韓国GM富平工場の塀に労働組合員らの訴えが書かれた横断幕が貼られている=仁川/聯合ニュース

 韓国GMが仁川(インチョン)市と慶尚南道に提出した外国人投資地域の申請書で、大規模の人員削減計画を含む事業の縮小計画を明らかにした。これによって、産業銀行の有償増資参加などの支援と政府の外国人投資地域指定が適切なのかをめぐり、論議になるものと予想される。

 21日、ハンギョレの取材の結果、韓国GMは今後5年間にわたり従業員を1万7千人から1万1千人に減らすと明らかにした。これによって、今月2日に締め切られた希望退職申請者数2500人を除いた3500人に対するリストラが行われる可能性もある。

 韓国GM関係者は「定年退職による自然減少がかなりあり、人為的なリストラまでする必要はないだろう」と話した。しかし、年俸2~3年分の慰労金が支給される希望退職申請者には定年退職を控えた労働者の多くが含まれているという。金属労組韓国GM支部は、今後4~5年間発生する自然減少人員の規模を教えてほしいと会社に要請したが、まだ会社側から回答がないという。ある労組関係者は「希望退職を受け付けた後にも、現場では整理解雇の噂が後を絶たない」と伝えた。

 韓国GMの1兆ウォン(約1千億円)規模の施設投資計画が外国人投資促進法の外国人投資地域指定の要件を満たしていないという分析もある。同法は製造業の場合、3千万ドル以上を投資し、「工場施設を新たに設置する場合」を指定要件としている。問題は韓国GMの主な投資が既存の施設の交替であるという点だ。富平(ブピョン)工場に約4千億ウォン(約400億円)かけて小型SUVの新車生産のための施設を入れ替え、研究開発センター内に衝突テスト施設を作る計画だ。昌原(チャンウォン)工場には約5千億ウォン(約500億円)を投入する計画だが、このうち一部はCUVの新車生産に向けた塗装工場の新築に使われると発表した。韓国GMは70%以上が新しい施設になるとして、「新設」と主張しているが、 ある業界関係者は「産業通商資源部は、施設交替は新増設と見なさないという立場」だとし、「このようなやり方では(双龍自動車を買収した)マヒンドラも、双龍自動車の生産車種を変えるときに平澤(ピョンテク)工場への支援を要求できる」と話した。

 富平で生産される小型SUVを「新車」と言えるかも議論を呼んでいる。韓国GMは申請書で、富平工場でCSSエンジンを作ると明らかにした。このエンジンはトラックスの後続モデルのプロジェクト名「9BUX」に取り付けられるものだ。事実上GMが富平工場で「9BUX」を生産する方針を明らかにしたのだ。しかし、2016年9月に韓国GMの労使代表が署名した「未来発展予測」合意文には、「富平で9BUXの生産に向けたすべてのプログラムの開発・生産準備作業は計画どおり進められている」と書かれている。チョン・ヘチョル労組政策室長は「新車を武器に交渉を始めておいて、すでに生産決定が終わった車を新車というのは理屈に合わない」と指摘した。これに対して韓国GM関係者は「韓国で9BUXを生産すると約束したことはない」と主張した。

 政府が韓国GMの投資計画を承認し、外国人投資地域に指定すると、韓国GMは今後5年間国税100億ウォン(約10億円)と地方税3千万ウォン(約300万円)を減免される。リストラを予告した投資計画書の前で、政府の悩みは深まっている。産業通商資源部の関係者は「まだ地方自治体が審査を終えたわけではなく、内容が変わるかもしれない」と説明した。

チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/837178.html韓国語原文入力:2018-03-22 05:01
訳H.J

関連記事