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「セーフガード撤回」「自動車規制の解消」…韓米、通商懸案めぐり角逐

登録:2018-02-03 06:22 修正:2018-02-03 06:53
韓米FTA第2回改定交渉 
 
関税問題よりも通商イシューで「綱引き」 
韓国側、洗濯機の輸入規制に強い不満 
切迫した「鉄鋼セーフガード」の除外を要求 
米国側、1回目の交渉に引き続き 
自動車「非関税障壁」の撤廃・解消を主張
韓米FTA第2回改定交渉が1月31日、ソウル小公洞ロッテホテルで開かれている=産業通商資源部提供//ハンギョレ新聞社

 韓米自由貿易協定(FTA)の改定交渉で、両国は、洗濯機に対するセーフガード(緊急輸入制限)の発動など、当面の通商関連懸案はもちろん、相手の譲歩を引き出すための緻密な交渉戦略カードを互いに提示した。

 両国の交渉チームは1日、ソウル小公洞(ソゴンドン)ロッテホテルで2日間にわたって開かれた第2回改定交渉のテーブルで、米国の韓国製洗濯機や太陽光パネルに対するセーフガード措置をめぐり攻防を続けた。ユ・ミョンヒ通商交渉室長を首席代表とする交渉チームは、両国が自発的に自由貿易に向けた協定を締結したにもかかわらず、国内工場で作った洗濯機までセーフガードを適用したのは納得し難いとし、強い不満を示したという。特に、対米貿易収支の黒字は昨年179億7千万ドルで、2016年(232億5千万ドル)より大幅減っただけではなく、今年1月にも3億2千万ドルの黒字で、昨年1月(9億7千万ドル)に比べて大きく減少したという事実を強調した。米国産製品の輸入が大幅に増え、貿易収支の不均衡が減っているだけに、その見返りとして、米国がセーフガードの撤回・緩和で譲歩すべきと要求したのだ。同日夕方、交渉が終わった後、キム・ヒョンジョン通商交渉本部長は「双方がとても熾烈な交渉を繰り広げた。太陽光・洗濯機に対するセーフガードの不当性を強く指摘した」とし、「両国ともできるだけ早く交渉を妥結したがる傾向があるが、まだ第2回目の交渉であり、さらに交渉を重ねなければならないだろう」と話した。

 さらに、韓国側は切迫した米国のもう一つの貿易救済処置である韓国産鉄鋼の輸入規制と関連しても、「韓国産の除外」を要求したとされる。ドナルド・トランプ米大統領は近いうちに洗濯機に続き、鉄鋼に対しても輸入規制を発動するかどうかを最終決定する予定だ。韓国側は「韓国は米国の安保同盟国であり、韓国産鉄鋼の輸入が米国の安保に否定的影響を及ぼすわけではない」という主張を展開したという。また、韓国政府の政策主権と関連し、投資者対国家の紛争解決(ISDS)の場合、米国行政府の持つ提訴裁量権を制限する方向で改善し、協定文に反映・改定することを要求した。

 一方、マイケル・ビモン米通商代表部(USTR)代表補が率いる米国の交渉チームは、米国産輸入自動車に対する市場接近、すなわち安全・環境規制などのさまざまな「非関税障壁」の撤廃・解消を主要関心事項として要求した。

 韓米の交渉チームは、両国の市場で既に無関税である自動車と自動車部品の関税譲許案再調整の問題についても話し合った。両国は同日の交渉で、自動車に対する反ダンピング・セーフガードなどの貿易救済措置や投資者対国家の紛争解決、商品関税の譲許案など、3~4つの分野別に分けて集中議論を行った。貿易救済分野で韓国側は、米国の反ダンピング関税率算定の制度と慣行を強く問題視した。商品関税は協定発効後、6年目の現在、関税がまだ残っている数百の商品の従来の譲許案(の撤廃・引き下げ)日程をを再調整する案を交換したという。キム本部長は「自動車のほか他の商品の関税についても、両国が意見を交換した」と話した。

一方、2007年の韓米FTA締結交渉当時、米国側首席代表を務めたウェンディ・カトラー元米通商代表部副代表は同日、韓米経済研究所(KEI)が主催した「韓米FTAの見通し」討論会で、「韓国製洗濯機・太陽光パネルに対する米国のセーフガードが交渉をさらに複雑にして暗雲がもたらす恐れがある"と話した。

チョ・ゲェワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/830550.html韓国語原文入力:2018-02-02 09:50
訳H.J

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