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韓国国民年金、株主権行使で不正企業を初めて告発

登録:2017-11-24 22:21 修正:2017-11-25 08:29
下請業者の不正を黙認した新大邱高速道路を検察に告発
国民年金公団=資料写真//ハンギョレ新聞社

 国民年金公団が、自らが最大株主である新大邱釜山(テグ・プサン)高速道路(株)を下請業者の不正を黙認した疑いで検察に告発した。国民年金が株主権を行使して企業を告発したのは今回が初めてだ。

 国民年金公団は「9月25日から株主監査権により監査を実施し、新大邱釜山高速道路の黙認の下に下請業者が不正を犯した事実を確認し、関連者を釜山地検に23日告発した」と24日明らかにした。新大邱釜山高速道路(株)は、大邱~釜山間の高速道路と付属施設であるサービスエリアを管理・運営する会社だ。

 国民年金公団の監査結果によれば、新大邱釜山高速道路の通行料収納業務を受託してきたK下請業者は、2015年以後3年間にサービス人員を虚偽記載するなどの手法で雇用費約12億3千万ウォン(約1億2千万円)を過多受領し、このうち一部を流用していたことが明らかになった。新大邱釜山高速道路は、サービスの履行内容を検査したり雇用費を精査せずに、K業者が請求した雇用費を全額支給した。また、2009年から料金収納業務を受託してきたK業者の契約終了(2017年12月)を1年後に控えた2016年12月、別途の入札手続きもせずにさらに3年間契約期間(契約金額194億ウォン)を延長する“特典”を施しもした。さらに、通行料収納業務と関係ない営業所の警備業務についても、入札手続きを経ずにK業者と追加で随意契約をしたことがわかった。

 国民年金の今回の告発措置は、機関投資家の受託者責任を強調する“スチュワードシップ・コード”の導入を控えた国民年金が、積極的に株主の権限を行使して企業の不正を牽制するという初めての試みと解説される。パク・ギョンソ高麗大学教授(経営学)は「告発や訴訟を提起できる権利も、株主が行使できる多くの株主権の一つだが、国民年金がこれまで刑事的イシューに主導的に役割を果したことはなかった」として「可能な限り市場に影響を及ぼさないという原則で消極的な公共性原則を適用してきたが、一段階進化した株主としての動きを見せた事例と見る」と評価した。

 国民年金公団の関係者は「国民の大切な基金が正当に運用されるよう、他の社会間接資本(SOC)投資法人に対しても類似事例があるかを集中的に点検し、不法行為が発見されれば厳正に措置し、体系的な管理・監督方案を講じていく予定」と話した。

パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/820603.html韓国語原文入力:2017-11-24 20:59
訳J.S

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